2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

百貨店の屋上階は頽廃的 

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ふらりと地元の百貨店の屋上階へ。下のフロアと比べると、あきらかに空間の使い方がぞんざいで、すこし身を持ち崩した美女のような雰囲気。 ペットショップがリニューアルして、いちめんドッグラン方式になっていた。カプセルホテルのようなちいさな箱に一匹…

三年前の花火の夜に

髪を切りに行った。学生時代からのお付き合いの美容師さんが、お店をやめて、つぎのお勤め先は未定というので、後輩くんを紹介してもらったのだ*1。お店で挨拶したら、このサロンに通いだしたころはまだアシスタントくんで、お茶を出したりシャンプーしてく…

久世光彦『わが心に歌えば』

同じ久世光彦の『わが心に歌えば』も、映画とそれにまつわる音楽とを紹介する、このひとのエッセイらしく、読んでいると歌いだしたくなってしまう危険な本だった。旧い映画の主題歌や挿入歌には見慣れないタイトルのものもあったけれど、気になるタイトルが…

久世光彦『マイ・ラスト・ソング 最終章』

図書館で久世光彦の『マイ・ラスト・ソング 最終章』を借りた。「人生の最期にどんな曲を聴きたいか」なんていうテーマのエッセイを十幾年もまえから雑誌に連載していたから、久世光彦はずっと死なないような、もうすでに死んでいるような、ふしぎな印象のひ…

カムパネルラ、僕たち一緒に行こうねえ。

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アルファベットの大文字小文字や数字の活字が数百文字ぶんあって、それを自分好みに組み合わせてスタンプをつくれる、というキットを手に入れた。ドイツの会社のものだから、ウムラウトもばっちりだ! ……まあ、一生つかわない文字かもしれないけれど。 [raku…

蝶の名を持つ喫茶店で

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Iくんの部屋のキッチンの収納力が飽和状態に陥ってしまった。電子レンジでノンフライの野菜チップスをつくれる、という器具を買ったのが、表面張力を破綻させるさいごのひと雫だったように思う。いろいろと思案したすえに、現状ではあまりおおきなものが入…

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』

そして、この映画も観たのです。 でも私、前作も前々作も観てなかった。世間では人気作だし、途中から観てもへいきかな? と思ったけど、そんなことなかった。 「あー、このひとたちはなんか意味ありげな会話や視線のやりとりをしてるけど、やっぱりそれなり…

『ダイ・ハード4.0』

どうしても観たいの、とシネコンでIくんが指さしたのがこのタイトルだった。 ああ、そういえば、わりとさいきんの金曜の夜、「3ガロンと5ガロンの容れ物で4ガロン量るにはどうしたらいいの?!」と電話してきたなあ、あれはこれの予兆であったか。と、な…

エネループはじめました

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電子辞書の電池が切れてしまったので、以前からちょっと気になっていたエネループを買った。エコがどうこう、というよりは、単に電池が切れるたび買いにいくのがめんどくさかったためです。店頭には、単三のみ、単三と単四の組み合わせ、充電器つき……と、い…

台風ホテル

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先週は、海辺の展示場で、一年に一度の展示会があった。業界のたいていの企業が出展する大がかりなもの。おなじ日程で行われるべつの展示会にIくんが行くというので、それなら日程を合わせて、展示会のあと落ち合って、海の見えるホテルでゆっくりすごしまし…

『名訳詩集』

名詩、ではなく、名訳詩、なのだった。名訳詩集 (青春の詩集 外国篇 11)作者: 西脇順三郎出版社/メーカー: 白凰社発売日: 1982/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 堀口大學の『月下の一群』*1くらいは読んだことがあったけれど、この詩集…

ラテン語テキスト読み比べ

最寄駅の近くの、二番目に大きい書店には、いま出版されているラテン語のテキストがひととり揃っていた。といっても、私がいちばん現物を見てみたかった『ラテン語初歩』はなかった。やっぱり岩波書店の本は買い切りだから、売れそうもない本は入荷されない…

冷凍庫いっぱいのハンバーグ

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さいきんはまっておるのは、おべんとうのおかずづくり。電子レンジでも過熱可能な小分けカップ、あれはすばらしい。夕ごはんのあと、腹ごなしにちゃちゃっとお惣菜をつくって、小分けにして冷凍庫にストックしておく。朝、時間がなくても、ストックのなかか…

あといくつかの春と夏と秋と冬

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レポートが帰ってきた。再提出はまぬがれた。ほっ。 でも、一章ぶん、正解とはまったく正反対に答えているところがあった……。どうしよう、これ。たんなるマークシートの塗りまちがいだといいけれど。問題文を見返すのがすこし、いや、だいぶ怖い。 いまどん…

狭い

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先日図書館で借りた『ラテン語のはなし』*1を読んでいたら、Iくんに素朴な疑問を受けた。 「それはどこの国で喋られている言葉なの?」 「……バチカン市国?」 「狭っ」 そ、そうくるか。 ああ、でも、近所の書店に行ったとき、モンゴル語やベトナム語のテキ…

リペアのいちにち

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革のやわらかさがお気に入りの淡い青磁色のローファーがずいぶん褪色してしまったので、自分で色を塗り替えることにした。まずは下地がわりに白の靴墨(白いのに墨、っていうのがなんだかへんてこりん)。むらなくきれいにできて、下にべつの色が眠っている…

製本という作業

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先日提出したレポートは、再提出で返ってこないので、及第点ではあったみたい。たぶん。 しかし、われながら一部分野への理解のへっぽこぴーかげんに眩暈がした。徹底した復習の必要性を痛感。 専用テキストは1冊で厚さ約4センチ(しかもB5版)もあるの…

川上弘美『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』

雑誌『東京人』で連載されている川上弘美の日記をまとめたもの(『東京人』が東京近郊でしか売られていないことを、このあとがきで初めて知った)。 川上弘美の日記文体は小気味いい。やっぱり終止形か。終止形の語尾だと、旧き良き日記然とする。 内容はあ…

「街を回遊する本、そして私」

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オフィスの隣に図書館があって、という話になると、たいてい、本好きの知り合いは「べんりでいいねえ」と言ってくる。そう思うでしょう。でもねえ。平日はほとんどユーザのところに直出直帰で、オフィスに立ち寄るのは月曜くらいなのだ。月曜日の午前、報告…

天平の繭の見る夢は

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ひょんなことから、小石丸の繭を見せてもらった。 小石丸っていったら、皇居の養蚕所でも飼育されているお蚕さんで、現存する種のなかでは古代種ともっとも近しいので正倉院の御物を再現する際に白羽の矢が立った、くらいの知識は私にもある。こ。これが! …