『DEATH NOTE』

 Iくんに借りた。本編全12巻。と思ったらどう数えても11冊しかない。6巻だけ抜けていました。……それに気づいたのが、読み出したら止まらなくて矢継ぎ早に5巻まで読み終えた直後のことで、いったいなんの嫌がらせなのか! と思った。

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

 まあ、我慢できなくて6巻を飛ばして12巻まで読み終えてしまいましたが。
 たぶんさんざん語りつくされていることだろうけれど、やっぱりLとの対決である前半がおもしろかったなあ。前半がそういう決着だったので、すると最終的に主人公に訪れる結末は……というのは予想できて、後半はもう、そのラストを確認するためだけに読んでいる感があった。さいごの偽ノートのトリックなんて、ほんものとにせものとの差異であるひとりぶんの記述の必要性がさっぱり頭に入ってこなかった。
 でも小畑健はとんでもなく画力があるなあと思う。あの、骨の髄から悪そうな主人公の顔ときたら! というか私、『ONE PIECE』の連載10周年記念インタビューかなにかで尾田栄一郎が「掲載誌では主人公は基本的に正義サイドでなくてはいけなくて、でも海賊は元来悪サイドなので腐心した」みたいなことを語っていたように記憶しているんだけれど、それとこれはほんとうにおなじ雑誌に掲載されていたんだろうか。
 さいごの場面は、それでもキラは或る一部の人びとの記憶(信仰?)に残ったんだろうな、それが「神になる」ということなのだろうなと思わせて、ことばでばかり語り倒されたこの漫画のなかでは静かで、光ほのかな印象で、ちょっとだけ好き。
「光あれ」、もしくは、「もっと光を」。
 終わりにして、始まり。