『サザエさんをさがして』
夕がた、図書館へ。昨年ちゅうに予約したはいいけど、借りに行けなかった本がたくさん溜まっていて、ものすごい大荷物になりました。
『サザエさんをさがして』シリーズを全巻いっきに予約したのが、よくなかったみたい。
- 作者: 朝日新聞be編集部
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 単行本
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さいしょのテーマが「カラーテレビ」で、「テレビ」にわざわざ「カラー」とついているのが昭和中期だなあ、という感じ。
とても興味深く読んだのが「ゴミ収集」の回。レトロなドラマを観ていると、住宅街のなかの道路に、塀に寄り添うように小さな小屋のような箱が置いてあって、それがゴミ箱だということはうすぼんやり気付いていたけれど、あそこに捨てられていたのは生ゴミ以外のゴミ、紙くずや木くずの、いわゆる「雑芥」だったんですって。
いっぽう、生ゴミ、「厨芥」にはゴミ置き場というものがなくて、チリンチリンと鈴の音を鳴らしながら収集車が来たら、各家庭の主婦がバケツに入れて持ち寄ったんだそうです。
私、久世光彦の、昭和大好き! な随筆を読んでいたから、末期生まれのわりに昭和時代に詳しいと勝手に自負していたけれど、ぜーんぜん知らなかった。男性作家と女性漫画家では目のつけどころが違うのね。
『サザエさんをさがして』は、テーマごとに、当時の関係者だの、斯界の研究家だのにちゃんと取材しているのが、新聞の土曜版の連載されていたコラムならではという感じで、読み応えがある。ただ「学生紛争」の回だけは取材がなく、当時実際に学生だった記者の方の、感慨たっぷりの思い出話に終始しているので質が低いというか、異色の雰囲気。連載のルールを曲げてもそういう自分語りがしたくなる、思い入れあるテーマなんですかねえ。