『ドリームガールズ』

 先週の土曜日に観た映画の話。(日記を読み返して、おお、先月も同じ日に映画を観ていたのだわ、すごい。と思ったけど、ことしの2月はちょうど4週だから、あまりすごくない。映画館には土日にしか行けないし)
 先月とおなじ映画館で『ドリームガールズ』。来し方を振り返ると、歌ったり踊ったりする映画が私は大好きなのだった(ジム・キャリーの『マスク』がじつはすごく好きで、なんでだ……と沈思黙考したらそういう答えに行き着いた)。しかも、これまた好きなダイアナ・ロスを彷彿とさせる登場人物。はずせないでしょう。
 観てみたら、群集劇にしてもだれが主人公だかよくわからない(だってジェニファー・ハドソン、これでほんとに「助演」女優? ってくらいにメインっぽく歌い上げるし)。でも、さいごのシーンで気づいた、これはジェイミー・フォックスの演じている男の夢のお話なのだと。黒人の歌が迫害を受け、白人たちに剽窃されることに憤った中古車ディーラーの男(キング牧師の演説をレコード化するという、わかりやすいひと)が、音楽業界でのしあがるうち、かつての白人たちと同じ行為に手を染めることにも躊躇わなくなる。そして旧い仲間にすべて去られたとき、男は、「黒人女性の歌を聴き、黒人の少女が憧れる」という昔の夢が叶った光景を目の当たりにする。その少女はじつは……。
 というのは抜きにしても観てよかった作品。音楽もダンスもすてき。『ワンナイト・オンリー』のディスコ・アレンジなんて、いま現在のどこかの歌手のPVでふつうにありそうだと思った。C.C.の曲は、アレンジしたほうがいいのばっかりだ。というかC.C.は声がいいのでじぶんで歌えばいいのに。
 ビヨンセが「お前がリード・ヴォーカルなのは声に個性がないからだ」といわれる役だったり(えー、いいの?! と思った)、くすぐりどころもりだくさんで、飽きなかった。がんばる女の子がでる映画としては、去年観た『プラダを着た悪魔』で「あのラストはないよなあ」とひどくがっかりしたので、ひさびさにすかっとした気持ちになれたこともすばらしい。