『ALWAYS 三丁目の夕日』

 夜。実家の居間にいたら母が「録っておいたのを観てもいーい?」とHDDレコーダを操りだしたので、なんとなく、ご相伴することになった。金曜ロードショーの録画ぶん。「ほんとに昔のTVには緞帳がついてたの?」「土管の置いてある空き地も実際にあったの?」と問いただしながら。どうやら、ほんとうらしかった。
 そういう時代があったことは知識として知っているけれど、母の幼少時代がそこに重なっていたというのは、とてもふしぎ。
 映画は、ようするに、泣きなさい、笑いなさい、懐かしがりなさい、という内容だった。
 電気冷蔵庫が主人公たちの家にやってきたとき、うっちゃられた旧式の冷蔵庫と、それを見つめる氷屋さんの、ごく短いシーンが、そこだけほかと空気が違って、好きだと思った。
 それにしても、『ローレライ』と『姑獲鳥の夏』、そしてこれを観た私にとっては、堤真一はすっかり「昭和初期のひと」あるいは「ジャンル:従軍経験あり」の俳優さんですよ……。