尼門跡について勉強ちゅう
展覧会『尼門跡寺院の世界』*1をあす観に行く予定なので、予習と称して図書館でいろいろと借りてきました。
私の乏しい知識から想像する尼門跡は、「深窓の皇女たちがまだ稚いうちに出家し、恋もせずに御仏に祈るのみで清らかなまま生涯を全うする」です。禁欲的! 斎宮や斎院とも相通ずるものがありますが、こちらは退下したのち入内する例もあったので色恋とは無縁ではない感じ。尼ではない門跡はといえば、ぱっと思いつくのは御室の皇子、それも『とはずがたり』の「有明の月」のモデルだという性助入道親王なので、むしろ煩悩まみれのイメージ。
うん、なにか偏ったり間違ったりしているのは自分でもわかるので、もうちょっと勉強したいのです。
- 作者: 五味文彦,菊地大樹
- 出版社/メーカー: 山川出版社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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しかしこれは、目次を見る限り曼殊院門跡と妙法院門跡を中心とした論文集のようで、尼門跡についての記述はなし。
- 作者: 高埜利彦
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 単行本
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「門跡に出入りの人びと」という章があり、門跡に仕える常勤家来等について詳しく述べられています。これを読むと、なるほど門跡寺院というのはただの寺院ではなくて、法親王という高貴なひとの活動の場であったのだなあと思います。
この本はほかの章タイトルも目を惹いて、「堂上公家の部屋住み」だとか「摂家の家司たち」だとか「禁裏付武家」だとか。おお、いわれてみればあのひとたちってどうやって生活していたんだろう。あとでこちらにも目を通す予定。
- 作者: 原田伴彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1984/09
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門跡の起こりは、奈良・平安以降、貴族社会が膨張し、子弟のすべてに適当な官位を行き渡らせることが困難になったため、独自の階層性を持つ仏教界に進出するようになったのだとか。
真言宗や天台宗の多い門跡とは異なり、尼門跡には臨済宗が目立ち、あきらかに時代が違う感じを受けますが、これは朝廷が尼門跡寺院の開創や中興に力を入れたのが戦国期の終焉以降であったためで、このころは後陽成天皇(Wikipediaで数えたら十三皇子・十一皇女!)と後水尾天皇(同じく十九皇子・十七皇女!!)の時代でもありました。つまり大量のお姫さま方の居場所が必要になったのですね。
(しかし、それならば『中世の寺院と都市・権力』に記述がなかったのも納得です)
……でも私の検索がいまいちだったのか、どうも、これ! という本に出会えず、知識が増えた気があんまりしません。
- 作者: 花山院慈薫,バーバラルーシュ,桂美千代,ジャニーンバイチマン,ベスケーリ
- 出版社/メーカー: 淡交社
- 発売日: 2009/01/30
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