ビバ、ラマーズ法

 なにか旅行の思い出を形にして持って帰ろうという話になったので、ガラス工房でそれぞれマイグラスをつくることに。
 銀猫Glassさんという工房におじゃましてみました。
 ガイドブックで見たときは、高原のこういうアトリエって、BGMはオルゴールアレンジとかで、ハーブティーを飲みながら、サンプルを見せてもらってデザインを決めていくのかしら……とぼんやり想像していたのですが(あやまった高原のイメージ)、着いたところはもっとファンクな感じで、工房というか工場っぽいところ。BGMはレゲエ。存在感を放つ炉の横で、サンプルを見つつ、出来上がりのデザインを考えていきます。
 透明なガラスにのせる色ガラスをのせて、そのまま水玉状に仕上げるか、ひねりを加えて縞々の模様にするか選べます。色ガラスの粒は大きさが様々なので、水玉のままでも十分に表情が出ます。
 私のイメージは「カルピス」で、白い色ガラスをひねりで。主人のほうは、深緑色の色ガラスを水玉のままの仕上げで、とそれぞれ選びました。
 高温の炉にガラスのついている棒を入れて熱したりという、危険なことは工房の方におまかせ。私たちのできることは、高温で熔かされて飴玉のように、あるいはシャボン玉のようになって筒状の棒のさきにくっついているガラスの塊を、棒の反対方向から息を吹きこんで大きく薄くしていくことです。
 これがけっこう大仕事で貧血を起こすかと思ったんだけれど、ヒ・ヒ・フーで吹き込むと無理なく息が送りこめることに途中で気づきました。ビバ、ラマーズ法。
 あとは、グラスの飲み口をひろげて形を決めます。私は大きく広がるお花のように、主人はまっすぐ。
 整形の終わったグラスは、気温の状態に置いておくとひびが入ってしまうとかで、摂氏500度の保温用の炉でひと晩寝かせるのだそう。それでできあがりの受け取りは翌日以降か、自宅に郵送してもらうことになります。この時点では色ガラスが熱を帯びてまだ赤い色なので、どんな色に仕上がったかは、受け取ったときのお楽しみです!