『もやしもん』

 文字が多いので漫画喫茶より貸本屋さん向きの漫画ということに、7巻まで読んで気づきました。

もやしもん(7) (イブニングKC)

もやしもん(7) (イブニングKC)

 平成20年度醤油文化賞受賞作という珍しい受賞暦の漫画。というか、ほかの受賞作が知りたい。
 じつは、主人の妹が某農大出身で、「講義のあと、遊びに行くところがカラオケしかない」というのを聞いたときは「なにその暗黒の学生生活」と思ったものですが、こうして漫画で読むととても楽しそうなところです。
 特色ある大学が舞台ということで『動物のお医者さん』を思い出したりもしました。ああいうふうに沢木たちと菌たちの学生ライフとうんちくをはてしなく描きつづければいいよ! と思っているので、長谷川さんと婚約者の婚前旅行のくだりでの、美里(水木しげる翁の漫画にこいういう生き物いるよね)との急接近とか、いいお話だけれどギャーやめて!! と叫んでしまいそうになりますが、誤った読み方なのだろうという自覚はあります。結城のあれやこれやのエピソードといい、人の(あるいは人と人のあいだの)変化がテーマなんだよね。なにせほら、かもされちゃうから。
 それにしても主人公が種麹屋の息子という設定は、気を抜くと忘れます。どうしても、もやし農家の子と勘違いしてしまう……。
 講談社の漫画雑誌は「モーニング」「アフタヌーン」「イブニング」と、時間をあらわす名前が多いのねと気づいたのが思わぬ収穫でした。調べたら「現代」も「フライデー」も「おとなの週末」もある意味、時間をあらわす名前。でも「少年サンデー」は小学館