『パイレーツ・オブ・カリビアン』

パイレーツ・オブ・カリビアン』(無印)を初めて観ました。いまごろ。
 ジョニー・デップ主演、さらにオーランド・ブルーム共演なのに、この私が、公開当時に見逃したのには、わけがある。
(「映画はいい男を女が見に行くものだ」という大島渚監督のことばを、私は全面的に支持します)
 ディズニーランドのアトラクションの映画化作品として、この映画よりも先に公開されていた『ホーンテッド・マンション』を観て、ざんねんな思いをしたという経緯がまずあったのです。
(いい男が出てこないのは先刻承知だったけれど、それにしたって、あのアトラクションの映画化なら、もうちょっとこう……。いま思えば、『THIS IS IT』のなかの『スリラー』の部分のほうが、『ホーンテッド・マンション』の映像化としては、数段すてきでした)
 で、アトラクションの映画化は、あんまり……あんまりだよねえ、という先入観が刷り込まれたので、『パイレーツ・オブ・カリビアン』は、がっかりしたくなくて、公開当時は見送り。その後、なんだか予想とちがったみたいと思いつつ続編も見逃し。第三作目を、前知識なしにいきなり観にいって(id:moony:20070720#p2)、やっぱり人間関係や背景がよくわからなかったり、いろいろと不幸な数年間をすごしてきたのを、ここらできれいに清算したいと思ったわけです。
 内容は、そりゃあ、いまさら私が述べるまでもなく、面白かったです。アトラクションの小ネタも利いていたし、カリブの海という舞台も、海賊をはじめとする登場人物たちも、ああ、こういうおはなしが観たかったという欲求を満たしてくれて、じつに痛快。続編がつくられるのも、わかります。
 でもでも、コキュ的な役割の英国海軍士官を演じていたのがジャック・ダヴェンポートだったとやっと気づいて、すごーくショック!
 ジュード・ロウ目当てで観た『リプリー』で、すこししか出ていないのに印象的だった男優さん! これまたジュード・ロウ主演の『クロコダイルの涙』で刑事役を演じていて、ああ、このひとは今後どんなふうに、いい男役の役者として成長していくのかしらと末頼もしく思ったのに! いい男じゃなくて、「いいひと」役に落ち着いている! 似ているようで、そのふたつのあいだにはマリアナ海溝より深い溝があるわよ。
 まあ、ジョニー・デップオーランド・ブルームが出ている映画に、さらに「いい男」枠なんて、残っているわけがないのですが。そういう役どころの映画があたっちゃって、シリーズ化されちゃうって、俳優さんのキャリアおよびイメージ形成にどのような影響を及ぼすのでしょう……と、いまさら悲嘆にくれている次第です。あーあ。あーあ!