『ONE PIECE 巻57』

「三月にワンピの新刊がでるよー」
 と先月、主人に教えたら、
「予約しておいてね!」
 という答えが返ってきました。
 いや、三百万部も刷られるとニュースになっているほどだから、予約なしでも入手できるんじゃない? コンビニでも買えるだろうし。
 と思ったけれど、それだけ、ぜったいに読みたいという意気込みの表れなのでしょう。
 まあ思った通り、発売初日の書店には山のように積まれていましたが。

ONE PIECE 57 (ジャンプコミックス)

ONE PIECE 57 (ジャンプコミックス)

 ここのところルフィは麦わらの一味の他のメンバーと離れてひとりで行動しているけれども、それでよかったんだなあと唐突に感じたのが今回でした。海賊も海軍もなつかしい顔ぶれがつぎつぎ再登場しているなかで、麦わら海賊団のみんなの見せ場も確保していたらお話のテンポがそうとう悪くなると思う。ゾロと鷹の目のミホークが再会したらそれだけで二巻くらいつかっちゃうもの。
(麦わら海賊団って人数が多くなりすぎているから、敵勢力と総当たり戦になったとき、同時進行でいくつもの戦いが進むのが、高齢読者にはつらいです)
 で、麦わら海賊団の代わりに出番の多い道化のバギーって、姑息で卑怯なのに、憎めない性格の、いいキャラクター。
 というかそもそもワンピのキャラクターって、たとえ敵でも心底いやな奴ってあんまりいませんね。ゲッコー・モリアでさえ可愛げがあるものねえ。
 そして前巻の終わりの、ボンちゃんの別れのシーンが、なぜか改めて瞼の裏によみがえるのでした。あのひと、なんであんなに男前というか、侠気があるというか、漢なんだろう。オカマなのに。