おそろしいことに

 さいきん、おそろしいことに気づいてしまったのです。
 近所のリサイクル着物屋さんが、毎月末に半額セールなのです!!
 おそろしいことだわ……歯止めがききそうにありません。
 もっとも、サイズ表示が不親切なお店でもべんりなように、自分の裄や袖丈をリボンに書きこんだお手製メジャーをつくってしまったあたりで、歯止めとか。いまさら。といった感はあるのですが。
 ことしに入ってから、紬の単衣が三枚に、道行コートが一枚、増えてしまいました。それと、お姑さんから、主人の母系親族のお着物をどーんと段ボールでいただいたりと、増殖スピードがすごいのです。
 でも、昔の着物のせいか、おおむね袖が短め。
「袖丈が四十四センチのは、許容範囲内ですかねえ。誂えるときはいつも四十九センチなんですけど」
 と先週のお稽古の際に先生に訊ねたら、「どんなものか見てあげるから持っていらっしゃいよ!」ということになって、きょうのお稽古は、微妙にサイズがちがう着物の着付け方を習いました。
 結果的にいうと、私の身長だと、袖丈四十四センチは、さほどフォーマルでない着物ならば、ぜんぜん問題なしでした。着丈が短いのは、腰ひもをすこし下のほうで結んで、おはしょりで調整すればよし。あとは身幅が違うときに、脇の線に合わせるのが、すこし注意が必要なくらい。
 でもまあ、自分サイズに誂えた着物のほうが、神経をつかう場面が少なくて着やすくて良いなあ。と、あたりまえのことに気づいた次第です。
 教室で、そうやってカリキュラムにないようなことをがっつんがっつんアグレッシヴに質問していたせいか、「こいつなら着るに違いない」と見込まれたのか、先生の私物の、買ったはいいけど締めないうちに年齢的に厳しくなったというピンクの名古屋帯をいただいてしまいました。
 学生のころは、社会人入試や聴講生のひとって信じられないくらい授業に積極的だなあと思ったものですが、いつのまにか自分自身がそんなふうになりつつあるわ……。