宮殿ホテルと夜市

 さいごの夜に過ごす宿は、台湾のガイドブックの表紙にたいてい載っている、あの中華宮殿風のホテル。
 今回の旅では、日月潭のホテルと、このホテルだけは最初から宿を指定してプランを組んだのです。とくにテラスつきの部屋! あの真っ赤な柱のテラスでお茶したい!
 ……しかしですね、じっさいに泊まってみたら、テラスにはテーブルセットなどはなく、意気消沈。


 ロビーの天井はものすごかったのですが。

 このホテルは、台北の中心地からはすこし離れたところにあるので、テラスから見渡せる、遠い市街の灯りがきれいでした。
 そういえば、前回の旅のときは逆に、市内のホテルの窓から、宮殿のようなこのホテルがぽっかりと、そこだけ異世界のように見えて、いつかあそこに泊まりたいものだなあと思ったことを思い出しました。
 あと、夜市に行ったものの、名物の特大フライドチキンを食べるかどうかさんざん迷った挙句、結局食べず、帰国してからずっと後悔していたことも……。
 というわけで、こんどはその宿願を果たすことに。
 そのまえにまず足つぼマッサージ屋さんに寄りみち。これから夜市でフライドチキンを食べるんだよ〜とお店のひとと話したら、ふたりでひとつ買うので充分だからね、とまたしてもアドヴァイスをもらいました。
 夜市の美食広場です。

 結論からいうと、特大フライドチキンは、おいしいのだけれど、ふたりでひとつでももてあます特大さでした。
 いいの、積年の夢が叶ったから……!
 今回の旅で、ずっとやりたかったことをいくつも実現させたけれど、同時に、新しいやりたいこともたくさん生まれてしまったなあ。
 でも、まあ、「やりたいこと」や「いつか叶えたい夢」が、人生を駆動させるのかもしれません。