『アイアンマン2』

 前作(id:moony:20100626#p2)がとてもおもしろかったので、その勢いで映画館で観てきました。
 だいぶ期待していたのですが、蓋をあけてみると、あら?
 思ったほどでもない?
 いったんどこが違うのかなあ……と考えてみました。前作で魅力的だったのは、まず、主人公トニー・スタークの、天才なんだけれど子どもっぽくもあるところ。ふだんの破天荒なセレブ生活とは対照的に、発明や開発をいちどはじめると没頭する姿……だったように思います。
 で、今作では、いろいろあって、トニー・スタークは悩めるひとなんですね。素っ頓狂な振る舞いも、パーティでの大騒ぎも自暴自棄ゆえで、むしろ痛々しい雰囲気。
 ローディ中佐役の新キャスト、ドン・チードルは好きな俳優さんなのだけれど、このひとが制服を着ていると、そこはかとなく漂う「苦労してきた感」が強調されて、兵器開発部門の軍人さんというより、後方支援の補給部門のお役人という感じなのでした(キャゼルヌ先輩……)。
 とまあ、哀愁漂うおっさんたちの印象が強くて、お腹の底から大笑いできるような痛快さには欠けたような気がします。
 ジャスティン・ハマー役の俳優さんの、トニー・スタークをまねしているんだけど、なにかべつのものに仕上がっていて、観ているこちらが「あぁん!」となっちゃう残念さかげんとか、生身なのに全身サイボーグみたいな怖さと強さのミッキー・ロークは、おもしろかったんだけれど。
 痛快といえば、スカーレット・ヨハンソンによる、突然なにかべつな映画がはじまちゃったみたいなアクションシーンくらいかなあ。
(私は『トゥームレイダー』だと思ったのですが、主人は『バイオハザード』だと思ったのだそう)
 日本式庭園で繰り広げられるパワードアーマーたちの戦闘シーンは、いままで観たことがなくておもしろかったです。パワードアーマー(「蒸着」式含む)のヒーローも、日本式庭園も、いちおう日本のお家芸のはずなのに、意外なとりあわせ!!