お金持ちっぽい

 ユーロスターに乗って、フィレンツェから一路、ローマ入り。
 きょうはヴァチカン市国の見学です。
 入り口入ってすぐ、現地ガイドさん曰く、
システィーナ礼拝堂の壁画はミケランジェロの『最後の審判』です。礼拝堂内は写真撮影禁止なので、外にあるこのレプリカを撮ってください」
 思わず写真を撮ったのですが、でも『最後の審判』の画像ならほんものの、完璧なのがネットにころがってるはずだよね……、なんでわざわざ、うそものの写真を撮っているんだろう私……とは、途中で気付いた。でもでも、もったいないので貼っておきます。ヴァチカンで撮った『最後の審判』(うそはいってない)。


 ほんもののシスティーナ礼拝堂は、「No photo!」と「シー!」という注意が乱れ飛ぶ、なんだか落ち着かない場所でした。
 美術館にて。カトリックの総本山なのに、異教の神々や神話にまつわる彫像がたくさんあるあたり、ローマという都市の重層さを感じさせます。


 サン・ピエトロ大聖堂は、はっきりいって、イタリアで個人的にいちばん興味深い場所でした。

 ミラノ、フィレンツェの大聖堂と比べると、「お金持ちっぽい」というのが第一印象。内部のあちらこちらに歴代教皇の墓碑だのモニュメントだの、往時の名だたる名工たちの作品であろう彫像が目白押しです!

 聖遺物、ということばは、心の奥底に眠る、中学二年生の自分を呼び覚ます響きを持つわねえ。
 聖ペテロというと、新約聖書だとか、それこそいま読んでいる『クォ・ヴァディス』のなかの登場人物という認識なので、そのひとのお墓を訪れているというのは、ふしぎな感じです。
 再びガイドさん曰く、
「映画の『天使と悪魔』はヴァチカンが舞台なんですけど、内容があまりにもアレなのでロケの許可がおりなくて、べつの場所におおきなセットをつくって撮影したそうです。そのセットは実物にとても忠実だったので、ヴァチカンもセットの出来だけは『よくできました』とコメントしたそうですよ」
 帰国したら『天使と悪魔』を観てみよう! と思いました。

 ローマ市内観光では、トレビの泉とスペイン坂と真実の口にて、うちのスイーツ(笑)がふたたび大はしゃぎでした。

 画像は曇天の下のフォロ・ロマーノ