岩本ナオ『町でうわさの天狗の子8』

 赤沢さんと三郎坊は人間とキツネなので恋のハードルが高いなあたいへんそうだなあと思っていたのだけれど、よくよく考えたらヒロインは人間と天狗のハーフという漫画なのだった……。(気付くの遅い)

金田一さん前おとめ座って言ってたからおとめ座さがそうか」

 猫町くんのせりふ。あいかわらず、こころをくすぐるせりふを繰り出すのがうまい作者だなあ、と。読書メーターのログをひっくり返したところ、6巻では会長のこんなセリフにも滾っていたようです。

「先生っ ミドリちゃんはチーズケーキが好きなんだぜっ」

町でうわさの天狗の子 6 (フラワーコミックスアルファ)

町でうわさの天狗の子 6 (フラワーコミックスアルファ)

 共通項は、他人の口から語られる己のステータス、かしらん。チーズケーキとか、おとめ座とか、キーワードがよいわー。金田一さんだって自分が乙女なことを意識してしまうよ。
(しかし金田一さんのヴィジュアルで恋愛に絡めるってすごい)
 作中の高校生たちの生活が天狗関係を除けばごくごくふつうの高校生活なんだけど、それゆえに社会人はもう経験できないイヴェントばかりでなつかしくて、読んでいるとむしょうに高校生に戻りたくなる。高校生に戻ってクラスメイトと、「眷属見習いのなかのひとりを彼氏にするならだれがいーい?」とか、しょうもないことで議論したい。私、四郎坊か八郎坊でまよいちゅう!!
町でうわさの天狗の子 8 (フラワーコミックスアルファ)

町でうわさの天狗の子 8 (フラワーコミックスアルファ)