『バットマン』

 BSプレミアムバットマン映画まつり!
 放送予定の6作品はすべて、いちおう観たことあるのだけれど、これを機に再鑑賞です。
 こんやは、いわゆるティム・バートン版『バットマン』の、一作目。

バットマン [Blu-ray]

バットマン [Blu-ray]

 いま観ると、「製作費があんまりなかったんだろうなあ」と感じさせる場面がちょこちょこあります。
 あと、ヒロインが報道関係者なのは、なんだかすごく「よくある感じ」がするんだけど、どこからくるんだろう……と、しばらく考えてみたのですが、『スーパーマン』のロイス・レインが出所でした。
ダークナイト』でのヒース・レジャーのジョーカーを観たあとだと、この作品のジャック・ニコルソンのジョーカーには、かわいらしさとともに、へんなリアリティを感じます。ヴィランってこういうのが本来だよね……というような。それはヒース版がリアルではないというわけではなくて、ヒース版に対しては「こんなひとがこの世にいたら嫌だなあ、いないでほしい」という心理が働くからだと思いました。
 ところで、二十年くらいずっと勘違いしてたことが、このたび判明しました。私、ティム・バートンにハマったのは子どもの頃に観た『ビートルジュース』のせいだったんだけれど、あの映画でタイトルロールを演じた俳優が『バットマン』にも出演している、というざっくりとした認識があって、でもそれはジャック・ニコルソンだとばかり思っていたの。ぜーんぜんちがいました。ビートルジュースを演じたのはバットマン役のマイケル・キートンでした。だって白塗りのおばけを演じたひとがヒーローものの主人公もやるなんて思わないよ、ふつう……。
ビートルジュース 20周年記念版 [Blu-ray]

ビートルジュース 20周年記念版 [Blu-ray]

(この映画ではメインキャストのウィノナ・ライダーがゴス少女を演じているんだけど、20年まえにゴスなひとがメインをはる映画だなんて、よくよく考えるとすごい!! でも『バナナ・ボート』を踊ります。ゴス少女と『バナナボート』、対極同士のくみあわせ。ティム・バートンの映画って、基本的にダークでビザールなのに、そういうアホっぽさバカっぽさを必ず孕んでいるよね。さいきんだと『チャーリーとチョコレート工場』のウンパ・ルンパ関連とか、『アリス・イン・ワンダーランド』のマッドハッターのダンスね)
(いま思いついたけど、どうしてディズニーは『ホーンテッド・マンション』を映画化するときティム・バートンを起用しなかったんだろう!! エディ・マーフィー主演のアレよりおもしろくなったと思うのになー。やっぱり、おばけ屋敷ものということで、『ビートルジュース』とかぶっちゃうからかなあ)
 ティム・バートンという映画監督も、バットマンの映画たち(さいきんの、クリストファー・ノーラン監督の作品も含めて)も、どちらも好きだけれど、もしも初めて観たバットマン映画の監督がティム・バートンじゃなかったら、こんなに好きだったかなあ。はからずも、自分の嗜好のルーツをさかのぼるような体験になりました。