『バットマン フォーエヴァー』
『バットマン』まつり、三日目です。
この作品からティム・バートンは監督を降板、メガホンをとったのはジョエル・シュマッカーです。ほかになにを撮ったひとだろうと調べたら、個人的に観たことがある作品はジェラルド・バトラーがファントム役だった『オペラ座の怪人』の監督でした。怪人つながり……?
やたらと街なかに彫像があるゴッサム・シティ、というところは前作からの流れが踏襲されています。空間に一対の彫刻があると、美術館とか博物館とか、なにかつくられたもの、時間を経たもの、いちど死んだものが供えられている場所という雰囲気が漂いますねえ。
そしてヴィランはジム・キャリー演じるリドラーとトミー・リー・ジョーンズ演じるトゥーフェイス。バットマンの相棒であるロビンも映画では今作から登場します。
全体的に、ジム・キャリーが悪役で出たらこうなっちゃうよね……という雰囲気の映画でした。まんま『マスク』。
というか、ジョーカーといいペンギンといいリドラーといい、『バットマン』におけるバットマンってじつは狂言回しにすぎなくて、ヴィランが主役なんじゃないの? という気がしてきた。
トゥーフェイスが傍にはべらせている女の子ちゃんふたりのうちのひとり、白いほうがやたらとかわいいなあ、と思ったらドリュー・バリモアでした。
今作でマイケル・キートンに代わってブルース・ウェインを演じているヴァル・キルマーが、金髪のせいかあんまりブルースっぽく見えないんだけど、なんだかかわいらしくて好きです。旧シリーズの歴代ブルースのなかでは、いちばん好きかもしれない。
……と、固有名詞の多い感想のときは、私の場合は、褒めるところも貶すところもあんまり見つからなかった、ということです。特段感銘を受けなかった本の読書感想文が、あらすじの割合が高いのと同じ。「仕事や義理で、しかたなく書いたんだなあ」と思わせる文庫本解説も、そんな感じですね。
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