『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』

バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲! [Blu-ray]

バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲! [Blu-ray]

 バットマンまつり四日目にして、いわゆる旧シリーズの最終作です。
 バットマンの映画というより、完全に、Mr.フリーズを演じるシュワちゃんの映画。エンディングのクレジットでも、バットマン役のジョージ・クルーニーを抑えてトップ。しかもしかも、なんと映画のさいごにMr.フリーズは改心しちゃうのでした! なんなんだそれは!? バットマンヴィランの末路は、死んじゃうか、アーカムアサイラム精神病院行きかの二択じゃないの? 不治の病だから入院しても退院できないんだけど脱走しないかぎり……ていう皮肉がいいんじゃないの!
 そしてジョージ・クルーニーは、トラウマのせいでこうもりスーツを着るような性格にはまったく見えないのでした。消せないリア充臭。
 バットマンとロビンの男ふたりぐみだとホモっぽい雰囲気が拭えないからその対策なのか、今作から追加されたバットガール、これがひどいです。女子高校生という設定で、いなかっぽくて洗練されていない雰囲気なので、いままでブルースに絡んだような「大人の女性」ではない新鮮さはあるんだけれども、当人の顔が老けているので高校生に見えないし、かわいくないのです。いったいどこを目指しているんだ。前作までのヒロインって、キャットウーマンだの、黒ラヴァースーツが好きな精神科医だの、へんなのが多かったけれどみんなきれいだったなあ、としみじみさせる、意外な効果はありました。
 もうひとりのヴィラン、ポイズン・アイビーを演じたユマ・サーマンがはっちゃけていてステキだったのに、脚本的にすべての貧乏くじをひいたような役どころで切なかったです。
 と、『バットマン』作品としては、なんだかとりとめがなくちぐはぐな雰囲気で、そりゃあシリーズも打ち切りになっちゃうよと納得の出来なのですが、そんななか好演で作品を引き締めているのが、執事アルフレッド役として四作すべてに登場のマイケル・ガフでした。ああそういえば、バットマンの物語というのは、バットマンの縁の下の力持ちとして働くアルフレッドの物語でもあったのだなあ、と再認識させてくれました。だってアルフレッドが常識的な執事で、バットマン活動のあれやこれやを制止していたら、ブルースはただのトラウマ持ちのお金持ちなままで、バットマンの物語は始まらなかったんでしょ。