2011年6月に読んでいた本

 このひと月に読んだ本のなかでは、『しまむらヤオコー』が、ふだん読む本の系列とちょっと違って、おもしろかったです。こんなタイトルなので埼玉県民しかわからないネタ満載なのでは、私はどんとこいだけどでも、と危惧したのですが、ユニクロの柳井氏がかつてジャスコに勤めていた話だとか、どんな大規模なチェーングループも発端は地方の個人商店だという小売業界の歴史など、埼玉フィルターを外しても、興味深かったなあ。
マルエツってお野菜がお高いわりに質がよくないわよね!」という雑談を職場の上司としたことがあり、ふと気になって調べてみたら、もともとお魚屋さんが前身だったそう(しかも、これも埼玉が発祥の地)。なっとく!

しまむらとヤオコー

しまむらとヤオコー

6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:1807ページ
ナイス数:16ナイス

町でうわさの天狗の子 8 (フラワーコミックスアルファ)町でうわさの天狗の子 8 (フラワーコミックスアルファ)
金田一さん前おとめ座って言ってたからおとめ座さがそうか」
読了日:06月14日 著者:岩本 ナオ
ちはやふる(13) (Be・Loveコミックス)ちはやふる(13) (Be・Loveコミックス)
「後悔しないかい!?」
読了日:06月15日 著者:末次 由紀
ジゼル・アラン(2)ジゼル・アラン(2)
1巻は「絵は綺麗だけど、お話がいまいち」と感じたけれど、2巻はでジゼルのバックグラウンド判明やギー登場による何でも屋稼業の広がり等、おもしろくなった。作画はあいかわらず丁寧。絵を描くのが好き、というのが伝わってくる。
読了日:06月15日 著者:笠井 スイ
乙嫁語り(3) (ビームコミックス)乙嫁語り(3) (ビームコミックス)
今回の目玉は市場の買い食いがいつのまにやら大宴会に発展したところ。どの食べ物もおいしそうだけれどとくに炊くときに小皿を蓋にしたピラフ! 2巻の刺繍もすごかったし、1巻につき1話は「作者が絵を描いていて楽しいんだろうなあ」というエピソードが入ってくる。お話のほうは、スミスと未亡人タラスの出逢いと別れ。これが一時的なものなのか、永遠の別離なのかはさっぱりわからない……。
読了日:06月17日 著者:森 薫
Daddy Long Legs (クイーンズコミックス)Daddy Long Legs (クイーンズコミックス)
あしながおじさん」のコミカライズとしても上質なんだけど、昭和初期ものとしてもすばらしい。回想のなかのハレー彗星ツェッペリン号、そして江戸川乱歩の本名(笑)。
読了日:06月17日 著者:勝田 文
しまむらとヤオコーしまむらとヤオコー
どちらも埼玉県小川町というちいさな場所(なにせ、「町」。市ではない)発祥という共通項があったことに驚き。しまむらがPOSシステムを導入したのはセブンイレブンより前だったとか、ユニクロの柳井氏のエピソードや、台湾に進出したニトリが苦戦した理由など、読み応えがある。
読了日:06月19日 著者:小川 孔輔
にょっ記 (文春文庫)にょっ記 (文春文庫)
川上弘美の『東京日記』を連想した。ほんとうみたいな日記と、うそみたいな日記と、ほんとうともうそともつかない日記。一見ただのひらがなや漢字なのに、よーくみると算用数字がまぎれているタイトルのフォントは、世界をすこしズラして見ているような穂村弘の世界観によく合っている。長嶋有の解説が秀逸。
読了日:06月27日 著者:穂村 弘
にょにょっ記にょにょっ記
「天使」の話は、虚実綯い交ぜの本書のなかで、いちばんうそくさいのに、なんだかへんに存在感があって、モデルがいるんではと思わせる、ふしぎなキャラクター。
読了日:06月27日 著者:穂村 弘
大奥 7 (ジェッツコミックス)大奥 7 (ジェッツコミックス)
「男系は血統の維持に疑念が生じる」という吉宗の疑問が村瀬老の死で途絶され、結論が出なかったのが意味ありげですごく気になる。吉宗、天英院、月光院という顔ぶれでのお茶会は、長かった過去編が吉宗編の時代についに追い付いた、感慨深いシーン。似ていない親子が多いなか、福姫の父親似加減はすごいなあ。久通の「なる…」で『日出処天子』を思い出したけど、そういえばよしながふみ山岸凉子って作風のある部分がなんとなく似てる。
読了日:06月29日 著者:よしなが ふみ
ヘタリア 4 Axis Powers  (バーズ エクストラ)ヘタリア 4 Axis Powers  (バーズ エクストラ)
オランダさんとベルギーさん、トルコさん、それにエストニアの出番が多めという印象。北欧の面々や、スイス・リヒテンシュタインの出番は少なかったかも。台湾とベトナムのアジア女子ズや、戦時下でコーヒーが品薄になってキレているオーストリアさんがかわいい。新登場のマカオもいいキャラ。一方で、1巻のときから変わらないのは、本の編集として質が低い点。個人のWebサイトではなく一応の出版物なのだから、出版社側も、ちゃんと続きを描かせてから載せればいいのに……という尻切れトンボなエピソードが多かった。
読了日:06月30日 著者:日丸屋 秀和

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