『双調 平家物語〈1〉序の巻 飛鳥の巻』

 で、いま、私の中で平家物語が盛り上がっているので、それにまつわる本を読んでいます。まあ、なんと、われながらわかりやすい。

 この本は、あの有名な「祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり」のつづき、

遠く異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱异、唐の禄山、是等は皆舊主先皇の政にもしたがはず、樂しみをきはめ、諌をもおもひいれず、天下のみだれむ事をさとらずして、民間の愁る所をしらざしかば、久しからずして、亡じにし者どもなり。

 ……というくだりの通り、趙高や王莽といったおとなりの国のいわゆる「叛臣」の解説から始まっています。文庫にして全十六巻の大著なので、いつ清盛が出てくるやらさっぱり予想がつきません。ぱらぱらとページをめくってみるかぎり、この一巻のなかで、清盛といちばん年代が近そうな登場人物が……、中大兄皇子……。
 でも、さすがの読みやすさおもしろさなので、ことしいちねんかけても読み遂げてみたいものです。