『平清盛』第二回「無頼の高平太」

 壇ノ浦の戦いののち、草薙剣が見つからない! と大騒ぎしている家臣らをよそに、「海底で清盛が振り回しているのかも……」とメルヘンな頼朝。このひと、実力で征夷大将軍になったのかしら、もしかして「神輿は軽いほうが」と坂東武士らに担ぎ出されただけで、実質の権力者は北条政子なんじゃないかしら(でも政子は政子で、そういうぽややんとしたところが雅やかでステキ、とか壮大な恋の盲目に陥ってそう)と深読みが駆け巡る、冒頭の鎌倉パートでした。
 鳥羽帝は出番が少なかったけれど、あいかわらず璋子に愛憎入り混じる執着を見せていて、不幸ルート一直線。璋子もまた、ちっとも悪びれておらずアモラル全開です。
 主人公の清盛は、今週から松山ケンイチ。清盛が元服した前後、ローティーンのころのできごとの回なので、先週と同じ、まえだまえだの配役のほうが年齢的にはふさわしかったんじゃないかなあ。でも同じ年に白河院が亡くなってしまうから、松山ケンイチによる清盛と白河帝の対決を描くためには、しかたなかったのか。
 そういえば、僧形だけれどギラギラした権力者で、白拍子が好き……というイメージって、白河院のものでもあるけれど、晩年の平清盛のイメージでもありますね。だから御落胤説採用なのかしら。
 鱸丸役の俳優さんは若いのに演技がしっかりしているなあと感心していたら、上川隆也でした。ちっとも若くない! ……じゃなくて、若く感じられるのも演技のうちだったのねー、と感心しました。
 阿部サダヲ高階通憲登場シーンはおもしろかったし、藤原家成の喰えない感じ、白河院崩御により藤原忠実がどう巻き返すかもわくわくさせます。いまのところやっぱり、武家パートより朝廷パートのほうがおもしろいドラマです。