『平清盛』第三回「源平の御曹司」

 夜八時を楽しみに待っていたら、直前になって居間のソファで主人がプレイしだしたゲームが『源平大戦絵巻』。
 非常にまぎらわしいので、即刻、別室への退場を命じました。
(BGMが琵琶奏者による『平家物語』の弾き語りなんだもん……)
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 さて、第三回です。冒頭の鎌倉パートはあいかわらず、へん。でも、慣れました。
 そのあとの院御所パートがすごかった。先週の感想に「璋子はアモラル全開」と書いたけれど、さらに上をいく問題発言。「叔父子」って、璋子の口からそれをいわせるか、脚本家!! 
 そんな璋子に血管を浮き立たせてキレる鳥羽院。そのほか、治天の君らしく凄みのある鳥羽院。いつも涙目みたいに眼球がぬらぬら光ってる。三上博史好きの私はどちらもたいへん楽しく鑑賞しましたが、第一話での、璋子の不義に気付くまえの、あのきよらで、自身が花のようなはかなげな鳥羽帝は、もう観られないのねえ……と思うと、ちょっともったいなく感じました。
 お話のほうは、清盛にかかわる平家一門の人びとについて掘り下げられて、武家パートもだいぶおもしろくなってきました。清盛の乳父や、血の繋がらない母と弟、そんな兄嫁と甥っ子を不憫に思っている叔父さん、それぞれみんなだいじなものがあって、それが重なったり重ならなかったり、というせつなさ。
 サブタイトルのとおり、源氏の御曹司も本格的に参戦。頬がぷくぷくした松ケンの清盛と、骨筋ばった玉木宏源義朝では、甘やかされて育った坊っちゃんと、お父さんがアレで若くして苦労した子、という対比が鮮明で、よかったです。
 上川隆也の鱸丸は背筋がしゃんとしていて台詞も明瞭なのでいちばん貴人の落としだねっぽい風情だったのと、藤木直人演じる佐藤義清は和歌を口ずさんでの登場のうえ、剣の腕もたちそうだし、イケメンで今後悲しいロマンスもあるなんて設定盛りすぎだなあと思ったことが印象深い回でした。