麦茶はじめました

 三年もほったらかしてにしておいた、このカテゴリ……。
 そのあいだに、通う美容室を変えたのに(実家の近くのお店から、新居の近くにある系列店へ)、美容師さんが変わっていないというふしぎ(実家近くのお店のときに指名していたひとが、新居近くのお店に異動になった)が起こったりしているのですが、それだけ長くおなじ美容師さんにお世話になっていると、髪を切ってもらっている最中の話題も生活感が溢れてきまして。
 きょうのテーマは、
「家族の長風呂にどう対処するか」
 です。
 うちの主人はお風呂だい好きなんだけど、たまに、湯船に浸かりながら居眠りをしているときがあって、あんまり長い時間、水音が聞こえないと「溺れた?」と心配になってくるのです。でも、生存確認のために声をかけたり、なかの様子を窺ったりすると、うざったいだとか反発されて、こちらのむかっ腹がたつのですね。
「そういうときはね、『んもう、ちゃんと起きてるの〜?』なんて、お母さんの小言みたいに声をかけたりしないで、『冷たいもの、どう?』といって、つめたいスイーツやフルーツを差し入れがてら、様子を確認すればいいんですよ。あっちも腹を立てないし、気分が変わって、お風呂からあがる気にもなるし」
 おお!
 私、美容室で、こんなに役立つことを教わったの、生まれてはじめて!!
 しかし、
「それって、つめたい麦茶でもいいかしら?!」
「いいと思いますよ麦茶」
「そうしよう! 麦茶にしよう!!」
 すてきな提案をされてから、光の速さで「スイーツやフルーツ」を「麦茶」にまでダウングレードさせてしまい、いかにふだん配偶者を粗略に扱っているか、自白したも同然で、すこし気恥かしく思ったりもしました。
 そういうわけで、ことしは例年より早めにつめたい麦茶をはじめまして、さっそく、実践。
 グラスを受け取った主人が、「どうしてこんなに優しいの……?」と、によによしながら問うてきたので(そのとき、対する私はしめしめな顔をしていたと思うけれど)、つめたい麦茶でもじゅうぶんに優しく受け止められるみたいです。「スイーツやフルーツ」のくだりは、主人には明かさず、墓場まで持っていこうと思います。