2012年6月に読んでいた本

 月初に枡野浩一の『結婚失格』の単行本を読んだのですが、

結婚失格

結婚失格

 なんかすごい内容で「うわあ……」となりました。
 で、その「うわあな気持ち」を読書メーターに記録しがてら、ほかのユーザの感想を読んだところ、文庫版に載っている解説がすごくいいらしいので、こちらも読んでみることに。
結婚失格 (講談社文庫)

結婚失格 (講談社文庫)

『結婚失格』を読んでいて、いちばん心がもやもやしたのは、どうも著者が正しい手順さえ踏めば妻の行動も是正できると思ってるらしいところで、しかしなにか決まった手順でかならずひとの心を動かせるならこの世には失恋も恋物語もないだろう、と思ったのですが、町山智浩による解説でこのあたりがみごとにつっこまれており、読み終えて非常にすっきりしました。この解説を含めたかたちで「完全版」と銘打ってもいいんじゃないの。
 いやあしかし、ジューンブライドの月に、なにをやっているんでしょう。
 そのほか、ペン習字用に字典をいろいろ比較したのですが、結局、手許に置いておくことにしたのは、字典ではない、これでした。
あなたの文字に装いを―ペン・筆ペン字の基礎と実用書式

あなたの文字に装いを―ペン・筆ペン字の基礎と実用書式

6月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:5622ページ
ナイス数:26ナイス

結婚失格結婚失格
実際の書籍の書評が、事実に近いが一部虚構である自伝的小説のなかで展開されるというスタイルはおもしろい。作者と元奥さんの離婚協議の顛末については、作者による短歌やエッセイで再生産されているのをすでに読んでいて同情もしていたけれど、この自伝がその離婚協議と同時進行で月刊誌に掲載されていたと知り、同情の気持ちが激減。元奥さんの行動は(作中の通りならば)支離滅裂だけれど、元奥さんが「正しくない」と表現しつづける作者のやり方は「正しい」の? 『結婚失格』というタイトルには白々しさを感じる。
読了日:06月02日 著者:枡野 浩一
大きな活字の 楷行草 筆順・字体字典 第二版大きな活字の 楷行草 筆順・字体字典 第二版
前半が筆順、後半が楷行草 の書体一覧。楷書についてはさらに新字体旧字体・書写体の一覧あり。ひらがな・カタカナ・ローマ字の書き順も載っている点が最高。解説も読みごたえがある。唯一の欠点は本が大きすぎるところ。あとでもっと小さい版も確認してみる。
読了日:06月03日 著者:
三省堂楷行草筆順便覧三省堂楷行草筆順便覧
筆順一覧。書体・自体一覧は無し。筆順も漢字のみで、ひらがな・カタカナ・ローマ字は無かった。本自体は携帯しやすいサイズ。
読了日:06月03日 著者:江守 賢治
文字の書き方 (講談社学術文庫 436)文字の書き方 (講談社学術文庫 436)
毛筆による楷書・行書(2種類)と硬筆楷書、教科書体、明朝体の書体一覧。筆順は楷書のみ。二色刷りで見やすい。
読了日:06月03日 著者:
ポケット ペン字字典ポケット ペン字字典
明朝体・楷書・行書(2種類)・草書の書体一覧。筆順は無し。
読了日:06月03日 著者:
実用三体筆順字典実用三体筆順字典
楷書、行書(2種類)、草書(2種類)それぞれの筆順。ひらがな・カタカナは記載無し。
読了日:06月03日 著者:横山 淳一
書道三体字典 日用版―筆順表示書道三体字典 日用版―筆順表示
楷書・草書・行書が1種類ずつ。筆順は楷書のみ表示。ひらがなの筆順あり。カタカナは無し。
読了日:06月03日 著者:高塚 竹堂
よく使う漢字の書体と筆順よく使う漢字の書体と筆順
楷書・行書・草書・旧字体と書写体(複数)。筆順は楷書のみ。行書の特徴のある筆順のみ巻末にまとめて記載。書写検定一級対策の歴史的仮名遣い一覧と、変体仮名の書体が興味深かった。
読了日:06月03日 著者:桃花会
もたない男もたない男
じつは『もてない男』と間違えて図書館で借りました。だけど面白かった。持たない、というより、持ちつづけられない、のではないかなあと思わせる、病気一歩手前まで捨てること好きの著者によるエッセイ。でも新しもの好きでお買い物も好きで、捨てたものを買い直したりもするのでじつは無駄が多い。捨てられるものと捨てられないものを隔てる基準、かつて捨てられなかったものをいかにして捨てられるようになったかの意識の変遷などの記述が興味深かった。しかし息をするように捨てるので、昨今ブームの断捨離実践にはあんまり参考にならない。
読了日:06月11日 著者:中崎 タツヤ
知的な英語、好かれる英語 (生活人新書)知的な英語、好かれる英語 (生活人新書)
社会人が英語圏で英語を話すとき、ていねいな言い回しをして損することはないのだなー、と思った(英語圏以外ではダイレクトな言い回しのほうが通じやすい場合もあるけれど)。生活人新書の英語の本はターゲットがはっきり社会人向きでブレがないので読んでいてスッキリする。
読了日:06月22日 著者:田村 明子
かの名はポンパドール 1 (ヤングジャンプコミックス)かの名はポンパドール 1 (ヤングジャンプコミックス)
題材はおもしろいのに、絵柄が見やすさと魅力に欠けるのが残念。
読了日:06月24日 著者:紅林 直
昭和元禄落語心中(1) (KCx ITAN)昭和元禄落語心中(1) (KCx ITAN)
八雲師匠が与太郎に目をかけている理由は、やっぱり、助六にどこか似てるからなのかなあ。八雲師匠は色気ありすぎ。萬月さんは八雲師匠のこと好きすぎ。
読了日:06月24日 著者:雲田 はるこ
昭和元禄落語心中(2) (KCx(ITAN))昭和元禄落語心中(2) (KCx(ITAN))
ボーイ姿の若かりし八雲師匠がかわいすぎ! 過去編はおもしろいんだけど、小夏の「誤解」の事情を早く知りたくもあったり。
読了日:06月24日 著者:雲田 はるこ
呼出し一(1) (モーニングKC)呼出し一(1) (モーニングKC)
角界の世界、おもしろかった。背中に商品ロゴのがっつり入った着物で、つい笑っちゃう呼出しさんが、あんなかっこよく見えるとは……。しかしお母さんはお父さんが息子の髪を剃るまえに制止すべきだよね。マンガとはいえドンびきしたよ。偶然同じ日に読んだ『昭和元禄落語心中』とは、「身近なようで案外知らない伝統的な世界」や「女性の参入障壁」という共通点があった。
読了日:06月24日 著者:中村 明日美子
鬼灯の冷徹(1) (モーニング KC)鬼灯の冷徹(1) (モーニング KC)
閻魔大王がゆるふわでかわいいなあ。地獄や妖怪にまつわる設定と、時事ネタやサブカルネタのからみがおもしろい。
読了日:06月24日 著者:江口 夏実
リメーク小物で楽しむふだんの着物―小物と帯作り、帯結びリメーク小物で楽しむふだんの着物―小物と帯作り、帯結び
二年ぶり再読。タイトル通り、ふだん着としての着物にまつわる小物類……うそつき襦袢や割烹着、前掛けの作り方が載っていて、和装好き&針仕事好きにはたまらない。割烹着の作り方は着物地が材料になっているけれど、アレンジして洋裁の布でつくってもいいと思う。
読了日:06月29日 著者:鈴木 道子
かわいい布で作る 子どものキモノかわいい布で作る 子どものキモノ
二年ぶり再読。ギンガムチェックやソレイアード、イチゴプリント地など、洋裁用の布で仕立てられた着物がすごくかわいい。自分の着物用に参考になる。
読了日:06月29日 著者:中山 麻子
浴衣の次に着るきもの浴衣の次に着るきもの
このタイトルはすごくいい。でも、タイトルに沿った内容が、あんまりなかった。家族で出かけたガオレンジャーショーのお話とか。How toというより、着物好きのひとのエッセイ。ゆいいつ、襦袢下の作り方は参考になりました。冬のおでかけによさそう。写真がもっと高画質で、イラストがもうちょっと上手で、せめて何ページかはカラー印刷だったら、うれしかったかな。
読了日:06月29日 著者:ami
結婚失格 (講談社文庫)結婚失格 (講談社文庫)
先に単行本版を読了、読書メーターにて文庫本の解説が異様に話題になっているので文庫版も読んでみた。一般的に文庫解説は玉石混淆でたいていの場合は石だが、町山智浩によるこの解説は間違いなく玉。解説を読んで溜飲を下げるために本文を読んだっていいくらい。
読了日:06月30日 著者:枡野 浩一

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