2012年8月に読んでいた本

 先月、派生作品2作を読んだら、やっぱり、原典をあたらないといけないような気分になり、『聖闘士星矢』原作を読むことにしました。以前、途中の暗黒聖闘士編までは読んだことがあって、そしてTVシリーズの白銀聖闘士編があんまり好きではないので、そのあたりは今回、飛ばします。

『星矢』の魅力はやっぱり黄金十二宮編だよね……ということを、あらためて再認識。
 でも黄金十二宮編はじつは聖域内の内乱のエピソードにすぎず、『星矢』の世界設定のなかでいちばん肝なのは、数百年ごとに女神アテナの配下の聖域の総力をあげて、冥王ハーデス配下の冥界と戦う聖戦なのだ(だから、派生作品でもなんども描かれる)というあたりが興味深いと思います。
 あと、聖域は黄金・白銀・青銅と、構成員のヒエラルキーはちゃんとしているのに、師弟のつながりのほかは縦の連携がうまくとれていなそうなのに対して、冥界は、冥王の側近としての双子神やパンドラの他、大幹部である三巨頭の下にそれぞれ部下がいて、組織としては圧倒的にしっかりしているのがおもしろいです。主人公側より敵対勢力のほうが組織立っているというのは、年少向けフィクションのお約束なのかなあ。

2012年8月の読書メーター
読んだ本の数:21冊
読んだページ数:5904ページ
ナイス数:26ナイス

聖闘士星矢 4 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 4 (集英社文庫―コミック版)感想
暗黒聖闘士編までは以前読んだことがあるので、黄金聖闘士たちが登場するこの巻から再開(白銀聖闘士はあんまり……、なので)。五老峰での老師・デスマスク・ムウの揃い踏みとか、やっぱり黄金聖闘士が絡んでくるとおもしろい! 星矢が美穂ちゃんと語り合う青春像には時代を感じる。星矢のパジャマ(星柄!)は美穂ちゃんチョイスなのかな。
読了日:8月1日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 5 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 5 (集英社文庫―コミック版)感想
教皇の瞑想を邪魔する小宇宙の持ち主は、女神アテナでも黄金聖闘士でもなくて不死鳥の一輝! …という流れは熱かった。不死鳥はあんなに強いし聖衣も特別なのに、どうして青銅なのか、たぶん作品のなかで最大のなぞだよね。デスマスクは「うびゃあ!?」も、なにげなく名言だと思う。
読了日:8月2日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 6 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 6 (集英社文庫―コミック版)感想
十二宮編もいよいよ後半戦。「せめて星となって女神をまもるか」は泣けるなあ、名台詞だなあ。氷河とカミュの再戦で、氷河を死なせたくないカミュの心情も泣ける。しかしこの師弟、ぜんぜんクールじゃない。
読了日:8月3日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 7 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 7 (集英社文庫―コミック版)感想
「時空の間のねじまがったすごく面倒なところへ落ちてしまってね…」ってすごい台詞だ。具体的なことはあまり語っていないのにへんに説得力がある。この漫画を象徴するような台詞だと個人的に思うなあ。沙織さんの心境を察してあげられるムウ様は濃やかさは、ほかの黄金聖闘士の生き残りには備わってなさそうで印象的。
読了日:8月4日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 8 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 8 (集英社文庫―コミック版)感想
ジュリアン・ソロの誕生パーティに出席する沙織さんをアイオリアがこっそり護衛していたり、沙織さんを守りにアルデバランが日本へ派遣されたり、黄金聖闘士が女神のボディガードっぽくなってきた。聖域のときもそうだったけど、今回もポセイドンのもとへ堂々乗りこんでいって、沙織さんがいちばん特攻体質。
読了日:8月5日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 9 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 9 (集英社文庫―コミック版)感想
一輝兄さんは登場シーンの口上がいつも時代劇みたい。なのにエスメラスダの幻影への「人をあやめるのならもっと深くささなくては…」はきっと優しい口調だったろうとわかるのがふしぎ。それにしても双子の聖闘士が二重人格者でさらに双子の弟がいるって設定盛りすぎだよね。
読了日:8月6日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 10 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 10 (集英社文庫―コミック版)感想
十三年前のカノンは、兄サガを教皇に仕立て上げて、自分は双子座の聖闘士になるつもりだったの? 沙織さん、サガ、カノンの三人には浅からぬ因縁を感じる。ソレントは敵側とも思えない心の清らかさ。ポセイドン編は最終的に、悪人らしき人や憎むべき人が見当たらなくて、なんだかふしぎな味わい。
読了日:8月7日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 11 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 11 (集英社文庫―コミック版)感想
ヒドラ市がオネエ口調になっている衝撃的なシーンから始まるハーデス編。これまで回復・解説役だったムウ様がたくさん戦って強くてかっこよくて牡羊座の私は大満足。サガ・シュラ・カミュが冥衣を着ているのに本気で驚愕している様子は、デスマスクアフロディーテと比べて、ムウ様の中の信頼度の序列がまざまざと感じられて笑える。沙織さんのいる教皇の間からは、無人でない宮はミロの天蠍宮が最寄だなんて、遠い…。ミロのカノンへの鉄拳は、十三年前のサガへの囁きが聖域の内乱とポセイドンとの戦い、全ての元凶と考えたら、むりないかも。
読了日:8月8日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 12 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 12 (集英社文庫―コミック版)感想
「うろたえるな小僧ども!!」をついに読めて、大満足。氷河とカミュの、ほんとのほんとの最後の別れのとき、もうカミュは氷河を見ることも話しかけることもできなくて、ただほほ笑んだだけ、というのが泣ける。
読了日:8月9日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 13 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 13 (集英社文庫―コミック版)感想
ゼーロスといいカロンといいマルキーノといい、味のあるキャラクターの多い冥闘士。ファラオはデザインはいいのに中身が残念な感じ。冥界でのカノンは吹っ切れたように強くてかっこいい。神話のオルフェウスの竪琴のエピソードは、星矢の作品世界ではこう調理されるのね、という点が興味深かった。
読了日:8月10日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 14 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 14 (集英社文庫―コミック版)感想
フェニックスとガルーダの鳥類対決。沙織さんのアレはやっぱり今回も特攻だったの巻。エスコートにシャカを連れているだけマシになったのかなあ。黄金聖衣大集結は熱い。けどさみしい。
読了日:8月11日 著者:車田 正美
聖闘士星矢 15 (集英社文庫―コミック版)聖闘士星矢 15 (集英社文庫―コミック版)感想
パンドラはお嬢様のわりにはすっぱな喋り方をするのは境遇のせいかしら。双子神が最終巻だけの登場なのが意外。星矢のお姉さんが、あれだけ煽っていた魔鈴さんじゃなかったのも意外。まあ肉親だったら修業期間中に気付くか…。終わり方はだいぶあっさり。それにしても聖域の復興とかどうするんだろう。教皇黄金聖闘士のなかから指名されるんじゃなかったの? 残っているうち、もっとも高位の聖闘士って、もしかしなくても魔鈴さんとシャイナさんだよね。
読了日:8月12日 著者:車田 正美
銀の匙 Silver Spoon 4 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 4 (少年サンデーコミックス)感想
家族からのメールについてのよろこびを呑み込む間もなく駒場くんと御影さん事件。八軒くんはいそがしいなあ。それも青春か。
読了日:8月17日 著者:荒川 弘
GIANT KILLING(24) (モーニング KC)GIANT KILLING(24) (モーニング KC)感想
村越キャプテンは制服コスプレ似合う!! と気づいた有里ちゃんは偉大だなあ。小学校サッカー教室のなかでいちばん子どもな赤崎くんも、サッカー以上の適所に投入された王子もいとおしい。と、ホームタウン活動報告にすべての意識を持って行かれた24巻でした。スカルズ編ははやく終わるといいな…。
読了日:8月17日 著者:ツジトモ
ONE PIECE 67 (ジャンプコミックス)ONE PIECE 67 (ジャンプコミックス)感想
表紙の面子がふだんと雰囲気違うなあと思ったら、そういうことでしたか。ロビンはチョッパーの可愛いところがすごく好きなのね、ということがわかった。お話は、魚人島に引き続きテーマが重たい。扉絵のインペルダウン編はとてもよかった。ボンちゃん…・
読了日:8月18日 著者:尾田 栄一郎
モザイク・ラセン (秋田文庫)モザイク・ラセン (秋田文庫)感想
表題作のテンポの早さはすさまじい。これがもっと後年の作品だったら綿密に描かれただろう設定もほのめかすだけで過ぎ去ってゆく。そのせいか、SFなんだけれど童話っぽい雰囲気に終始していてふしぎな味わい。同時収録の短編『きみは美しい瞳』も、一風変わった世界観を最小限しか語らないのに物語に没頭させる力がすごい。リア姫は『ポーの一族』のマドンナを思いだした。
読了日:8月18日 著者:萩尾 望都
バルバラ異界 1 (小学館文庫)バルバラ異界 1 (小学館文庫)感想
映画『インセプション』を連想した。若返る老女というモチーフは作者の近年のお気に入りなのかな。
読了日:8月18日 著者:萩尾 望都
バルバラ異界 2 (小学館文庫)バルバラ異界 2 (小学館文庫)感想
明美さんが怖い。マーちゃんのよいお母さんぶり、優しさの描き方はさらっとしているのに、明美さんの酷い母ぶりは畳みかけるよう。
読了日:8月18日 著者:萩尾 望都
バルバラ異界 3 (小学館文庫)バルバラ異界 3 (小学館文庫)感想
千里さんやライカの兄たちは登場時のインパクトから、もっと活躍しそうだったのにそうでもなくてふしぎだったんだけど、大森望のよる作品解説で、この漫画を描いたときの経緯がすこしわかって納得した。
読了日:8月18日 著者:萩尾 望都
おでかけニット vol.3 (別冊家庭画報 手編み時間)おでかけニット vol.3 (別冊家庭画報 手編み時間)感想
風工房さんのカーディガンがかわいくて一目ぼれで購入したあとに、手芸店で調べたら指定糸が私にはすこしちくちくする。色数が多い模様編みなので代替糸を探すのも億劫で悩みちゅう。指定糸の肌触りを調べてから買えばよかったなあ。
読了日:8月30日 著者:世界文化社
ヘタリア 5 Axis Powers 特装版 (バーズ エクストラ)ヘタリア 5 Axis Powers 特装版 (バーズ エクストラ)感想
三国同盟一周年だのアフリカ戦線での英米の共闘だのWWII関連がメイン。フランスのシリアス漫画については、四巻を思い出して「でも、不幸な最期を見届けるしかなかった相手の、生まれ変わった姿を見ることもできるんだよ〜」と思ったりもした。ドイツ兄弟の中身が一緒ネタはなぜトルコさん? 欧州では周知の事実でいまさらツッコむひとがいないから? それともオーストリアさんとコーヒー愛好家仲間だったりするんだろうか。
読了日:8月30日 著者:日丸屋 秀和

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