2012年12月に読んでいた本

 2012年さいごに読んだ本は、株式会社タカラの元専務にしてお人形の『リカちゃん』の初代開発者の方の、この本でした。

リカちゃん 生まれます

リカちゃん 生まれます

 工場や問屋等、玩具業界のビジネスっぽい要素もありつつ、全体的に読みやすい、リカちゃん開発秘話です。ビニール玩具をつくっていた当時のタカラがまず売り出そうとしていたのは、きせかえ人形そのものではなくて、バービーやタミーなど、他社の既存のお人形といっしょに遊べるハウス型キャリーケースだった……という発端から引き込まれます。
 圧巻は、リカちゃんの委託製作を請け負ったのは、事業拡大で玩具部門を設立したばかりのお醤油メーカーだったというおはなし。割烹着に姉さんかぶりの地元のおかあさんたちが手作業でリカちゃんにメイクをしたり、ドレスを着せたりしているのです。
 以前、バービーについての同様の本を読んでつよく心に残った一節、「バービーのドレスは日本の主婦が縫製した。ウェディングドレスの縫製を内職で行い、白いドレスを白いまま納品できるのは日本だけだった」を思い出しました。20世紀の女の子たちのお人形は、日本のおかあさんたちがつくりだしていたのね。
 発売当時のリカちゃんのメインターゲットは小学校高学年……というくだりで、ずいぶん高年齢だったので意外に思いましたが、数年のうちにファンが低年齢化してリカちゃんは小学校低学年向けのものになり、高学年の子のためにレディリカが開発されたとあり、納得しました。たしかに、21cmドールと28cmドールのすみわけって、自分の過去を振り返っても、そんなあたり。
(ちなみに我が家のファーストリカちゃんは三代目リカちゃんでした! 四代目リカちゃんがお目見えしたとき、イメージカラーが赤からピンクに変化したような、甘い雰囲気の大増量に、びっくりしたなあ)

2012年12月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:3016ページ
ナイス数:21ナイス

連想式にみるみる身につく語源で英単語連想式にみるみる身につく語源で英単語感想
ただ英単語の語源を説明するだけじゃなくて、この語幹とこの接頭尾辞だとどんな意味に? と、いったん考えさせるフェーズがあるのがいいなーと思いました。「語源から憶える英単語」の系統って、説明を読んで、「いわれてみれば、そんな意味になるかも…」と、ほほーと思っておしまい、という場合が多いので、そういうのとは脳味噌の違う部分を刺激してくれる気がする。
読了日:12月10日 著者:清水 建二
坂道のアポロン (9) (フラワーコミックス)坂道のアポロン (9) (フラワーコミックス)感想
りっちゃん……!! 8巻で薫さんのりっちゃんに対する仕打ちにイライラしていたので、大学生編のりっちゃんは酷いような、いやむしろちょうどいいようなふしぎな塩梅でした。
読了日:12月21日 著者:小玉 ユキ
海月姫(10) (KC KISS)海月姫(10) (KC KISS)感想
月海と修の恋愛模様と、蔵之介のアパレル事業への野望の二本立て。目白先生はあんな勢いで驚いているのに「贄」の字を手書きできるなんてさすが…。ごっちゃん小学生にびびりました。
読了日:12月21日 著者:東村 アキコ
かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)感想
ぜんぜん作品の本質に関係ないんだけど、個人的に大学はずっと実家から通っていたので、18歳で、遠方の大学入試のためにひとりでお泊り!! というのに、うひーとなりました。たいへんだなあ…。本編は、これが自叙伝の1巻とは思えないくらい、びっくりするほどスムーズに読めて、なんなんだ…とふしぎに思ったけど、海月姫のあとがき漫画とかテンパリストとかである程度下地ができていたからみたい。
読了日:12月21日 著者:東村 アキコ
昭和元禄落語心中(3) (KCx(ITAN))昭和元禄落語心中(3) (KCx(ITAN))感想
ほんと、なんてとこで終わるの…。
読了日:12月21日 著者:雲田 はるこ
毎日着せたい赤ちゃん服―70・80・90サイズの実物大パターンつき毎日着せたい赤ちゃん服―70・80・90サイズの実物大パターンつき感想
エプロンドレスがお人形さんの服みたいにかわいいなあ〜。レインオールは超大作。
読了日:12月21日 著者:クライ ムキ
はじめての赤ちゃん服―ガーゼとタオルでつくるスタイからベビードレスまで (Heart warming life series―Start series)はじめての赤ちゃん服―ガーゼとタオルでつくるスタイからベビードレスまで (Heart warming life series―Start series)感想
ガーゼやタオル地といったとっつきやすい素材で、副資材のバイアステープやニットテープの説明がくわしい。すごく親切な本だと思う。
読了日:12月21日 著者:クライ・ムキ
いちばんよくわかる赤ちゃんと小さな子の服いちばんよくわかる赤ちゃんと小さな子の服感想
小花模様のブルマがとにかくかわいいなあ〜。
読了日:12月21日 著者:
テルマエ・ロマエV (ビームコミックス)テルマエ・ロマエV (ビームコミックス)感想
どう見てもトミー・リー・ジョーンズがモデルのキャラクターがいた気がするけれど、気のせいかしら…。
読了日:12月22日 著者:ヤマザキマリ
聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝 5 (少年チャンピオン・コミックス)聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝 5 (少年チャンピオン・コミックス)感想
エルシドは本編が始まるずっと前からシジフォスの右腕として双子神について調べていたのね…ということがわかった外伝。夢の神との因縁もこのころからなのかあ。ラカーユくんが本編でちらっとだけ登場していたエルシドの部下のひとりとは、最後まで気づかなかった〜。
読了日:12月23日 著者:車田 正美
聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝 6 (少年チャンピオン・コミックス)聖闘士星矢THE LOST CANVAS冥王神話外伝 6 (少年チャンピオン・コミックス)感想
本編オウルのパルティータといい、この外伝の雀の牡丹といい、女の子を描くときうれしそう。
読了日:12月23日 著者:車田 正美
地図苔の森 (ビームコミックス)地図苔の森 (ビームコミックス)感想
#7『まなざし』が好き。最終ページの大ゴマがちょっとホラー風味。で、読み返すとザブタイトル通りの演出がじつはところどころにある。ふーちゃんの表現も漫画ならでは。なのにあとがきでの言及がぞんざい。
読了日:12月28日 著者:須藤真澄
聖☆おにいさん(8) (モーニング KC)聖☆おにいさん(8) (モーニング KC)感想
十二使徒アークエンジェルズほどの勢いはないんだけども、天部の面々の変っぷりは天然なのかわざとなのか微妙でじわじわくるなあ。あと、ニベア買っちゃいました。まんまと布教された…。ところで『しろくまカフェ』といい、「漫画にでてくるジャニーズ系っぽいアイドルグループのモデル」って、すっかり嵐に代替わりしましたね。SMAPだったり光GENJIだったりした時代の記憶があるので、隔世の感。
読了日:12月28日 著者:中村 光
番線―本にまつわるエトセトラ (ウンポコ・エッセイ・コミックス)番線―本にまつわるエトセトラ (ウンポコ・エッセイ・コミックス)感想
番子さんやハチさんの若気の至りのエピソードも笑えるんだけど、やっぱり国会図書館や校正、写植といった、取材したお話がおもしろかった。
読了日:12月28日 著者:久世 番子
シンプルワードローブ コーディネートが楽しくなる服シンプルワードローブ コーディネートが楽しくなる服感想
モデルさんが3人、それぞれ身長が155cm、165cm、175cmでおなじ型紙のドレスを着まわして、そしてあまり凝ったポーズをとっていないので(ここ重要)、自分の身長だとどんなふうになるかの目安がついて、すごくよいです。すべての本がこんなふうになればいい。
読了日:12月31日 著者:大川 友美
かぎ針編みでかんたん!かわいい!はじめての赤ちゃんニットかぎ針編みでかんたん!かわいい!はじめての赤ちゃんニット感想
帽子のデザインが、かわいいもの多めでよいです。表紙のくまさん耳ポンチョもかわいい。
読了日:12月31日 著者:
オーガニックコットンベビー服とこもの―新生児から身長90cm・すべて作り方つき (レディブティックシリーズ no. 2533)オーガニックコットンベビー服とこもの―新生児から身長90cm・すべて作り方つき (レディブティックシリーズ no. 2533)感想
模様編みの帽子がおちついた雰囲気でよかった。
読了日:12月31日 著者:
はじめてのママに…手ぬいのかわはじめてのママに…手ぬいのかわ感想
表紙のロンパースがとにかくかわいいです。甚平の材料は手ぬぐい2枚!なので、かわいい柄でつくれそう。
読了日:12月31日 著者:湯浅博雄
おしゃれキッズのニット小物―帽子やマフラー、ベストまで!おしゃれキッズのニット小物―帽子やマフラー、ベストまで!感想
表紙のくまちゃん帽(うさちゃん帽もある)もかわいんだけど、他の作品も、色づかいでおしゃれで、「ハンドニットの子ども服」によくあるうすぼんやりしたテイストが排されていてすっごくすてき!
読了日:12月31日 著者:了戒 かずこ
着せたい縫いたい赤ちゃん服―0~3歳・成長にあわせた衣服プランとつくり方着せたい縫いたい赤ちゃん服―0~3歳・成長にあわせた衣服プランとつくり方感想
「成長にあわせた衣服プラン」というサブタイトルの通り、月齢にあわせてそろえたい衣類の一覧が、時間軸と衣服のイラストで示されていて、すごくわかりやすかったです。コンビ肌着の縫い代の始末が表に出ているのもよかった。乳児服はシンプルでかわいかったけれど、幼児服は昭和っぽいデザインが多かったです。
読了日:12月31日 著者:
大原照子のシンプル家事ノート ~モノを減らせば、掃除も片付けもグンとラクになる~大原照子のシンプル家事ノート ~モノを減らせば、掃除も片付けもグンとラクになる~感想
著者は70歳以上、ひとり暮らし。と、現在の私がまねするには状況がいろいろ違うのだけれど、いつかずっとさきに、こういう暮らし方もある、という点で参考になった。「料理は一日に一度だけ」とか「カトラリーは4人分、それ以上は招かない」とか「カレーはつくらない(!)」とか。欲をいえば、キッチンの説明の文章と、実際の写真がレイアウトの都合か、離れたページにそれぞれ載っていたけれど、もっと文章と写真を近くに配置してくれたらわかりやすかった。
読了日:12月31日 著者:大原 照子
リカちゃん 生まれますリカちゃん 生まれます感想
著者は元タカラ専務で、リカちゃん人形の初代開発担当。リカちゃんは、じつはお人形のハウス型キャリングケースの企画に付随して生まれたものだった、という経緯にびっくり。外国人でお姉さんのバービーではなく、少女漫画から飛び出してきたようなリカちゃんが日本の少女に受けたのは、いま思えばあたりまえのような気がするけれど、当時それに気づいて実現させたというのは画期的なことだったんだろう。当時のタカラ社屋の隣の小学校の女子児童たちのモニタリングのエピソードがおもしろい。著者のリカちゃんへかける想いと熱意が伝わってきた。
読了日:12月31日 著者:小島 康宏

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