カーネーションと薔薇の花

 先日の日曜日は、母の日でした。
 妹にお花を頼んだら、モーブ色みたいな紫がかったカーネーションを買ってきた。
 IくんはIくんで、職場のひとが買ったカーネーションの花束に「きれいな薔薇ですね」とやって、みんなに大笑いされららしい。
 でもさいきんのカーネーションカーネーションに見えないよねってふたりで意気投合。
 カーネーションっていったらさ、新品の折り紙の封をあけて、金紙と銀紙のつぎにあらわれる、あの赤い色よ。





「薔薇」という漢字を書いて罰せられるなら罰金を払ってでも書く、と塚本邦雄が語ったという記事が新聞にあって、目に留まる。たしかに、庭の生垣に咲いていそうな「ばら」より、カスミ草といっしょに花束にされていそうな「バラ」より、血みたいな色の「薔薇」がこのひとには似合う。それも蕾じゃなくて、触れたら花びらいちまい落ちそうな頃合の。