「街を回遊する本、そして私」
オフィスの隣に図書館があって、という話になると、たいてい、本好きの知り合いは「べんりでいいねえ」と言ってくる。そう思うでしょう。でもねえ。平日はほとんどユーザのところに直出直帰で、オフィスに立ち寄るのは月曜くらいなのだ。月曜日の午前、報告書を書いたりメールを読んだりスケジュールの打ち合わせをしながら、せっかくだから帰りに図書館に……、ともくろんで、つぎの瞬間、きょうは休館日でした、と気づく。これを毎週のように繰り返しているのは、どちらかといえば不幸せな生活だと思う。
でも、今週の月曜日の夜は、すこし違った。そういえば、今週の訪問先は市内にある。市内の図書館ならどこだって利用できるはず。市の図書館のサイトで調べたら、訪問先のごく近くにも分館があるし、そこには読みたかった本もちゃんと収蔵されていて、しかもいまはちょうど貸し出されてはいないことがわかった。
そう、市内のどこかべつの図書館で借りて、返すときだけ、オフィスの隣の返却ポストに入れておけばいい。名づけて「街を回遊する本、そして私」計画!
あけて翌日。訪問先での仕事を終えて、ららら回遊、とハミングしながら、はじめての図書館へ。2階の語学の棚ね、と調べたとおりに書架にむかったら、ない。目指す本が見当たらない。
館内の端末で改めて検索したら、貸出ちゅうになっていた。そんな、ゆうべ私がネットで調べて、ひと晩あけて開館して、正味数時間のあいだに。流行っているのかラテン語。
- 作者: 逸身喜一郎
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2000/12/01
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おなじ市内に、だれかもうひとり、おなじ言語を勉強してるひとがいるんだわ、いま。というのは、すこしすてきだけれど。