魔法が

正しい印章 明るい日本

 オフィスでつかっていた認印を失くしてしまったので、新しいのを買いに行く。
 私の苗字は異字体と旧字体がちゃんぽんなので、そこらの文房具屋さんにはぜったいに売っていない。駅のむこうの印鑑屋さんまで行かなくてはいかない。
 でも、そこにいけば、ちゃんと在庫として品物があるのですね。きょうなんて、白いのと黒いのとシャチハタのと、三種類も見せてもらった。すごい。一見こぢんまりした、ほかにお客さんの入っているところを見たことがないお店なのに、どれだけ品揃え豊富なんだ。魔法みたい。
 ……と、思ったんだけれど、ありきたりの苗字のひとならほかのお店でも買えるわけだから、わざわざここを訪れるのは、一般的な印鑑のラインナップからは漏れる苗字の持ち主である可能性が高い、つまり、その条件に該当してなおかつ、一定数いるような苗字さえ揃えておけば、かなりのヒット率になるのでは、という仮説を、帰りのみちみち打ち立ててしまった。ま、魔法が……。しょんぼり。
 実際のところ、どうなんでしょうね。
 画像は、買ったシャチハタを包んでもらった袋。スケールの大きなコピーだ。





 数週間まえからスケジュールの入っていて、いやだな、はやくおわれすぎされ、と思っていたプレゼンをきょう、こなしてきた。
 平素は打ち合わせ程度しかしゃべらない仕事なので、一時間半もひとまえでしゃべりっぱなしだと、テンションがへんな高さのままで固定されてしまう。
 終わったあともどうにも落ち着かないので、クールダウンさせるために近所の書店に寄ってから帰った。近所の書店は品揃えがいまみっつくらいなうえに、文庫本を買う気を萎えさせる出版社ごちゃまぜの作者名五十音順に並べている*1ので、気持ちがぜんぜん高揚しなくて、いい。意外なつかいみち。

*1:レーベルごとにわけてくれる本屋さんだと、ちくま・河出・中公・岩波の棚あたりが居心地がいいです。