仙台ふつかめ

 所用が夕方に終わって、まだ日も傾いていなかったので、きのうタクシーの運転手さんに教わった仙台城址へ。
 歩いて二十分くらい、閉園時間もないのでいつ行ってもいいときいたので、ちょっとした丘のうえの公園くらいに踏んでいたら、途中、思いっきり山道で涙目。街へ降りるバスも最終は十六時台だった……。
 太平洋は、あっさりと見えた。そうか。政宗はまいにちあの海を見ていたのか。それはひたひたと彼の野望を刺激したことだろうと納得がいく眺めだった。この海の東の向こうに大陸があって、さらに大きな海を越えると南蛮がある。それは西のかた唐土や天竺のそのまた向こうの国へ赴く別の道すじ。





 そぞろ歩きちゅうに見かけて気になっていた「ほそやのサンド」というお店で夕ごはん。
 ハンバーガー屋さんなのにお客さんの年齢層がちょいと高めで、落ち着いた雰囲気。私とおなじく一見さんふうのおじさんが、お店のなかに飾られた、ご店主のおじいちゃんの古いゴルフクラブやループタイのコレクションを楽しそうに眺めていた。
 ころっとふんわりしたそぼくなハンバーガーは、生まれて初めてハンガーガーを食べたときってこんなふうな心持ちがしたな、と思い出させる味だった。これに比べたら、ファストフードチェーンのハンバーガーって、たべものというより工業製品だ。