嵐みたいに

 きのうの朝、電車のなかの雰囲気がずいぶんどんよりしているなあと思ったら、世間はGWあけだったのでした。なるほど。
 ええと、GWらしいことは、私もちびっとはしました。六日。Iくんともども、残業をいつもより早めに終えたら、夕ごはんをたいらげてもまだ午後九時半でびっくり。
(いや、しかし、休日出勤で残業ってなんだ。どっちにしろ時間外じゃないか)
 それで腹ごなしに、かねてより懸案だったキッチンの棚の配置換えを急遽決行。
 模様替えの女神さまが掃除の神さまの胤違いの姉であることは広く巷間に知られるところでありますが(うそです)、しかしこの異父姉弟の降臨タイミングの読めなさと不適切さったら、なんだろう。たとえば学生時代のテスト期間ちゅうとか。
 作業をはじめたら興が乗っちゃって、玄関の姿見をベッドルームに移動し、ベッドルームの本棚をダイニングに移動し(ということはテーブルセットをいちどどかす作業が必要なわけですよ)、フローリングのうえのカーペットもはがした。このあたりで「まずい。こんや寝る場所だけは確保しなくては……!」と、本棚からいったん出した書物の山を見て気づく。それが日付のかわるちょっとまえ。
 女神ってば、急に現れて急に去っていく。嵐みたいに。
 そんなわけで、ベッドルームの片隅にはいま本の山脈がみっつほどあります。辞書どこいったの? とか、こんなマンガ持ってたっけ、とか、たまに地殻変動が起こります。