私たちはレミングのように

 しちがついっぴです。
 つまり、いまの職場で過ごすさいごの四半期のはじまりです。
 うわー。いつのまにそんなことになっていたの。
 四月の初めに「あと半年で辞めます」と宣言して、その半年がもう半分過ぎ去ってしまった。ああおそろしい。時間が、光の速さで流れてゆく。





 ミーティングで、今期以降の物件の担当者が、メインとサブとヘルプの三段階に格付けされて発表されたんだけれど、私はこれまでメインだった物件もすべてヘルプという位置づけになった。私の列だけ◎も○もない、△だけのエクセル表を見て、Yさんが「絹子さん、ほんとうに辞めちゃうのねってしんみりしちゃったわ」。私はしんみりはしなくって、三ヵ月後には私はいない、という前提でほかのひとが動いていることをはっきりと確認できて、なんだか高揚したけれどな。
 問題は、私が抱えていた物件で代わりに◎をつけられていたS嬢が、
「もしかしたら私、絹子さんの退職の直前に、この仕事を辞めるかもしれませんよ」
 って、春ごろ洩らしていた、ひそかに転職活動ちゅうの身だということですよ。
 これはだれにも言わないでくださいね、と前置きされたので、だれにも相談できないで、ひとりで抱え込んでいる。
 彼女に引き継ぐのでほんとうにいいのかしら。だってたしか、さいあくは半月まえでいいんだよね、「辞めます」っていうの。引継ぎ終了後、私より早く辞められたら、どうしよう。って、それは私が心配する筋合いのことではないけれど。でもなんだかまことしやかに二度手間の予感。ああ。うう。私の夏季休暇とお盆休みと有給消化計画が。
 レミングのような私たちと七月です。