七夕の夜に

 きょうは着付けのおけいこの初日でした。
 まずは、ゆかたの着付けから。「下前のおはしょりを三角に折りあげて、帯の下から覗くのを上前だけの一重にする」って、着付けの本では読んだことがあるけれど、いまひとつやりかたがわからなかったのを実際に習うことができました。涼しいし、もたつかないし、これはいいわ! そのほか、衣紋の抜き方や、腰紐・胸紐それぞれの結び方、先生の夏きものの帯締の位置まで、見るもの聞くものすべてにムハー! となりました。
 リバーシブルの半幅帯を折り返して、どちらの柄も見せるという技。私はあれがどうしてもできなかったんですが(だって締めるまえに帯を折り返しても、それがどこにでるか、見当もつかないんだもん……)、締めたあとに折ればいいじゃないの、ということで解決。おお。
「襟を合わせる位置も、帯の結び方も、体で憶えればいいのよ」とは、先生のおことば。でも、自宅でもたくさんたくさん練習しないと憶えるまえに忘れてしまいそう。この夏は、仕事から帰ったらゆかたを着て過ごしてみようかなあ。紅梅のゆかたはふだんづかいにはちょっともったいないので、独身時代の綿コーマを実家から発掘してこようかしら。娘っぽい柄でも、自宅で着ているだけなら、ひとに迷惑はかけないわよね?
 と、夢と妄想で胸を膨らませて帰路に。
 そうしたら、主人がきょうは定時退社徹底デーで、珍しく私より早く帰宅していました(七夕の夜にだけは早く帰れるって、風流なような、悲愴なような)。知っていれば、下駄も教室に持参して、ゆかた姿のまま帰ってきたのにね。
 私はおけいこまえに夕食を食べていたので、近所の飲み屋さんで、主人は夕ごはん。私はおつまみをお相伴。
 マスカルポーネチーズにはちみつをかけて、砕いた醤油煎餅を添えた創作料理が、意外なくらいおいしかったです。よく冷やしてはちみつをかけたマスカルポーネって、まるで融けないアイスクリームみたいな口あたり!