ゆきずりの

 そういえば。きょうの夕方、スーパーにて、チリソースと大豆を買って自分で調理するか、それともチリビーンズの缶を買うか、数秒間だけ棚のまえで悩んでいたら、同じ棚の純カレーパウダーの缶を手にしたおばさまが、
「カレーパウダーって高いわね! カレールーよりこんなに高いのね!」
 と話しかけてきました。もちろん見ず知らずのひと。
 そうですね、ルーのほうが安いですね、と必殺返答技「違う言い回しで同じことを言う」をして、なにごともなかったようにふたり、お互いの買い物に戻ったわけですが。
 帰宅してから、おばさまもなにか新しい料理にチャレンジしようとしたんだろうなあ、そしてそのレシピに純カレーパウダーって書いてあったんだろうなあ。と気づきました。
(遅い)
 そしてお値段にびっくりして、だれかに言わずにはいられなかったんだよね。気持ちはわかります。
 この出来事を主人に話したところ、「どうしてそんなに見ず知らずのひとに話しかけられるの?」と言われました。うーん。なぜかしら? というか、ほかにひとはそんなに、見ず知らずのひとに話しかけられないものなの?
 もっとも、いままでいちばん凄かったのは、山手線でほろ酔いのおじさんに話しかけられたら(私も酔っていたわけですが)、じつはそのひとが友達の会社の先輩のお父様だったとあとで判明したというエピソードなので、きょうくらいのはぜんぜん甘いうちなのよ。