お引っ越し

 やっと、引っ越し先でのネット環境が整いました。
 初めて当事者となった引っ越しなので、いろいろと、大変だなあ、と感じる場面が多くありました。
(以前住んでいたところは、婚約当時から主人が借りていた部屋に、私の荷物を少しずつ運び込んだり、新しく購入したりで、「引っ越し」という感じが皆無だったの)
 ひとつひとつすべてを詳らかにすることはしないけれども、ただひとつだけ、書き残すとしたら、引っ越し当日、業者さんによって搬入された夥しい段ボールが山をなした新居のただなかで、さあっ、これから夫婦で力をあわせて巣づくりするわよー! とりあえず今夜ひと晩すごすために最低限の梱包はとくわよー! という段になって、リビングで、運び込まれたばかりのピアノを弾いている主人を見つけたときの、あの気持ちかなあ。
 わあ。
 電子ピアノは調律いらずでべんりだね!
 BGMをありがとう!
 ……という気持ちでなかったことは確かです。
 男って引っ越しで役に立たないものだということは、引っ越し業者さんがくれた段ボールに「奥さまメモ欄」があるあたりでそれとなく察していたけれども(ただのメモ欄でいいのに、奥さま名指しなのは、そういうことなんでしょう)、それにしても。
 曲はフォスターでした。
 引っ越しの最中に、ピアノを弾かれたぐらいで、えええっとなってしまう私が包容力が少ないのかなあと自問したり、でもこう書いてみてもやっぱり相当に素っ頓狂なことをされた気もするし。
 大変だったのは引っ越しだったのか、それとも私の結婚相手の空気の読めなさ加減だったのか、よくわからなくなってきました。