手帖と私

 手帖のメモページを、引っ越しのあれやこれやで使い切ってしまいました。
 去年の9月末、寿退社にあわせて買った10月はじまりの手帖だったので、メモページってきっかり一年の消費量分なのね……という気分。
 そんなわけで、手帖を新調しました。2年続けてDelfonicsの文庫本サイズの手帖です。1ページが田の字に区切られていて、見開きで一週間とメモ欄。学生時代に使っていたのと同じタイプです。
 でもDelfonics的にさいきんのイチオシは、左ページが7等分されて月曜日から日曜日までのスケジュール欄、右側がノート、というタイプのようで、かわいい柄のカヴァー! と店頭で手に取ると、中身はみんなそのタイプ。田の字タイプは定番柄のカヴァーかリフィルしか売っていません。
 なのでしょうがなく、去年は展覧会のリーフレットでカヴァーを作ったのです(id:moony:20081005#p1)。
 しかしスケジュール+ノートのタイプは、文庫本サイズだと満足に書けるスペースがないと思うんだけど。どうでしょう。
 Moleskineのラージサイズだと、スケジュール+ノートでも、使い勝手がよかったという印象です。前職では、週の初めに前週の業務内容を報告する必要があったので、やった作業をノートのページの書き連ねていけば、月曜はそれを引き写すだけでよくて、重宝していました。お茶をこぼして紅茶色(id:moony:20071030#p1)や鳩麦茶色(id:moony:20080826#p1)にしちゃったんだけどね。
 そのまえはほぼ日手帳を使っていて、これはその当時出張が多かったので、ホテルや移動手段や経費をばりばりと書き込めるので、経費精算のときに助かりました。これもお茶をこぼしてヌメ革を台無しにしちゃったんだけどね(id:moony:20080912#p1)。
(ああ、それにしても私の手帖の使い方は、ちっとも詩的じゃないなあ)
(!! Delfonicsにはお茶をこぼさなかった! 高い手帖のときだけ発動する呪いなの?!)
 なにかひとつ、お気に入りの手帖を定めてそれを使い続ければ、数十年後、ずらりと同じ体裁の手帖が並んで壮観かな……とあこがれるけど、そんなふうに生活によって使いやすい手帖が違うので、なかなか、これ、というふうには決められません。
 それにしても。と、いうことは。学生時代とおんなじ手帖に戻ってしまった私は、ふたたび人生のモラトリアムの時季ということなのかしら。
 ここ一年の手帖を読み返したら、平日の昼間にひとりで行った映画や展覧会、ハネムーンの日程や、氏名変更が必要なもののリスト、不動産購入の手続きだとかで埋まっていました。去年の手帖には書かれてなかった、来年の手帖にもきっと書かれることはない(……たぶん)出来事でいっぱい! この手帖を買ったときと、名前も住所も変わってしまったと考えたら、いったいなにが、これは私のものだと証明できるかしらと思いました。手帖に書かれたとってもマイナーな映画や展覧会のタイトルと、その感想をすらすら口頭で言える、ということ?
(「ずらりと同じ体裁の」への憧れはあきらめきれなくて、手帖のほかに、自宅常駐の日記帖として、Moleskineのデイリーダイアリー・ラージサイズを買う予定です)