黒留袖と紋問題

 着付けのおけいこ、きょうから最終ステージの黒留袖です。
 ふだんなら、おけいこに使うおきもの一式は持参するのだけれど、さすがにまだ黒留袖は誂えていない。ので、借りもので練習しました。
 帯結びはいままで習ってきたのとおなじ二重太鼓だときいて、それって、わざわざ、別立てで習う必要があるのかなあ……、とふしぎに思っていたのですが、黒留袖は、比翼仕立てというつくりでした。たしかにこれは、知らないで初めて着るなら、面食らうこと必至。
 黒留袖は、柄が入るのは裾だけで、上半身は紋のみでさびしいので、白い半襟でも刺繍が入っているような華やかななものを選んで、それもよく見えるようにたっぷり出して着付けなさい、とのことでした。
 しかし、私、黒留袖を着る機会なんて、このさき巡ってくるんだろうか……。
 実家に訊ねたところ、母の黒留袖と長襦袢があるそうなので、こんどのおけいこにはそれを持っていく予定です。
 で、母の黒留袖の紋は、「糸輪に桔梗」で、いかにも女紋っぽい。母方の実家はもとは関西だったらしいので、結婚しても婚家の家紋はつかわなかったみたいです。
 私もそろそろ、一つ紋の色無地くらいはほしいのだけれど、その場合はどの紋を入れたらいいのだろう……という問題が浮上してきました。関東には女紋の風習がないってきくし、どうなのかなあ、こんど先生に相談してみようっと。あと、お姑さんに確認だなあ(こうした問題にはもちろん主人は戦力外です)。「糸輪に桔梗」もかわいいけど、万が一、主人の家の家紋が蝶紋だったり兎だったり月だの鳩だのだったら、即座にそちらを採用する自分が目に見えるよう。