針仕事好きにはうってつけ

 淡いブルーグレー地に、白い花弁と赤い中心部をもつお花が並んでいる柄のおきものを買いました。
 冬空に映える雪の結晶と南天の実のようにも見える、だまし絵のようなおもしろさもあって、即決だったのです。
 ただ、ネックだったのは、仕立て上がりなので、ふだん誂えている寸法とは微妙に違うという点。大丈夫? お直しに出す? と店員さんに心配されたのですが、そもそも、学生さんがおこづかいで買えるように……というお手ごろ品のなかの一品だから、お直し代がおきもの代と同じくらいだよね、ということで、とりあえず様子を見ることに。
 帰宅して長襦袢とあわせてみると、身幅はともかく、袖幅が2センチほど短い。この程度の短さなら、ふだん着なので許容範囲内。ただ、そのままだと袖口から長襦袢が飛び出してしまうので、長襦袢の両方の袖をそれぞれ、まんなかで3センチづつ縫い縮めることにしました。
 多少針目が残っても惜しくない化繊の長襦袢だし、どうせ見えない場所だから(というか、見えちゃ困る)と、いろもを! 刺し子針で! 並み縫いにしたあたりは、われながらどうかと思います。
 はからずも、柄が1センチ角の市松模様で、柄そのものが縫う際のガイドラインになるので、すっごく縫いやすかったです。
 今後もしだれかに、「初めての長襦袢をいちまい買うとしたら」と相談されたら、ぜったいに「柄はこまかい市松模様で」と薦めよう……!! と、実現性の薄い想像をして固く決意するくらいの感動でした。
 なんやかんやと針と糸の出番なので、針仕事好きには、おきものは楽しい趣味です。
 袖幅の調整方法がのみこめたことだし、これから仕立てあがりにもどんどん挑戦していこうと思います。