『ラピュタ』を観るための媒体

 金曜ロードショーで『天空の城ラピュタ』を観ました。『ラピュタ』やるの、なんどめだろう金曜ロードショー。『火垂るの墓』は毎年恒例なので、観ても「夏だわねー」くらいしか思わないけれど、『ラピュタ』くらいのブランクだと、前回観た時はまだ独身だったなあ……とか、つぎに観るときは、私はなにをしているのかなあ……とか、しばし、過去やら未来やらに心を馳せてしまいます。
 そういえば、私は物心ついて初めて観たスタジオジブリ作品が、映画館に連れて行ってもらって観た『となりのトトロ』だったので、『ラピュタ』はスクリーンでは観ていないのです。
(学生時代にクラスメイトと、いちばん好きなジブリ作品は? という話をしたら、みんながみんな、『トトロ』ははずせなくて、もう1作を『ナウシカ』か『ラピュタ』のどちらかを選ぶか……というような結果になってので、同年代だからさいしょに観た作品がいっしょで、その印象が強いのかなあ、と思ったのでした)
 それで、初めて観た『ラピュタ』は、金曜ロードショーを録画したものでした。そしてそれはノーカット放送ではなかったので、軍に捕まったシータをパズーたちが救出したあと、海賊の飛行船に向かうまでのシーンがすこしカットされていたのでした。後年、フィルムブックでそのシーンを読んでとてもびっくりした記憶があります。
 だから、金曜ロードショーは、番組の枠というより、『ラピュタ』を観るための媒体という感じ。『ハムナプトラ2』における日曜洋画劇場のような。