三が日の過ごし方

 Wiiリモコンを各々持参して、主人の男子校以来の同級生が我が家に集結。
 二日の夕方から三日の午下がりまで、まず「New スーパーマリオブラザーズ Wii」をクリアし、「大乱闘スマッシュブラザーズX」で四人対戦をし、「マリオストライカーチャージド」もやり、とうとうプレイするソフトがなくなって挙句Wiiウェアで「ボンバーマン」をダウンロード……と、ゲーム漬けの時間を過ごしていました。
 冬休みの小学生男子だって、もうちょっとこう、変化に富んだ過ごし方をするでしょうよと、遠目で傍観しながら、思いました。
「食べ物は勝手に手配するから、絹子はなんにも用意しなくていいからね」
 と、主人と事前に約束していたので、食器や茶器をすぐ使えるようまとめておいたほかは、ほんとうになんにも用意せず放置していました。が、Wii出前チャンネルでピザやお寿司を注文したあと、「やっぱり野菜が食べたくなった」などと正月営業ちゅうのスーパーに買い出しに出かけ、帰ってきたと思ったら、お惣菜やサラダではないほんものの生野菜を買いこんできた模様。「ほうれん草をゆでるのでキッチン借りていいですか? あとトマトの皮の湯むきも」などと客人のひとりに声をかけられ、ぅひぃいでした。ほかの部屋はばっちり掃除しておいたけれど、お台所は、まさか立ち入られるとは思わず、ちょっと気を抜いていました……。読みが甘かった。
 実家では、お正月に親族が集まるときなど、それはもう逆兵糧攻めのように、食べ物をたくさんたくさん卓に並べて、親戚といえども来客者はお手洗いくらいしか席を立たせないようなある種の威圧感があって、これはうちの家風が見栄っ張りということなのかなあと子ども心に思ったりもしたものだけれど、いまならわかる、あれは、他人に台所に入られるくらいなら、ぜんぶ自分でこなしたほうが楽ちんで、精神的疲弊が少ないということだったのね。と、まないたやら包丁やら用意しつつ、思い至りました。
 居間の隣の和室は、ふだん、夫婦二人の書斎兼手芸部屋として使ってるけれど、来客ちゅうは客間として開放していたので、私は読みさしの本や編みかけの編み物などを持って寝室に退避。はからずも寝正月。
 で、三日の終わりに、そういえばことしは暦の曜日の巡り合わせが悪くて、あしたから仕事始めだったなあと気づぎ、愕然としたりしました。