あのオレンジ色

 鏡開きなので、鏡餅を下げる。お餅の下に敷いていた裏白や御幣と、七日に下げた松飾りとを、神社でお炊き上げしてもらうために、燃える材料のところと、燃やせない材質の飾りの部分に分別。
(松飾りのうち、燃やせそうなのが注連縄だけで、ほかはプラスチックや針金のつくりものだったので、これじゃあ稲飾りだなあ……と思ったのは、また、別のはなし)
 しかし、出向いた近所の神社では、お札以外のお炊き上げはしていないとのことで、家庭でのお正月飾りの処分方法の書かれた紙を社務所でもらって、お参りだけして帰る。実家のほうの神社は、他宗教のお札以外はなんでもどんとこい! と、大らかというか大雑把なところなので、どこでもそんなものかと思ってたんだけど。予想外。
 成人の日だったので、振り袖姿のお嬢さんが街にたくさんいて、だいぶ目を楽しませてもらった。お母さんの代からのお下がりかなあと思わせる振り袖が、やっぱり、見ていて興味深く、楽しいなあ。近づくとナフタリンの匂いがするのが、そのしるし。あと、朱赤のような、あのオレンジ色! 元旦に行った主人の実家で、お姑さんのきものを譲ってもらえるというのであれこれ見せてもらったけれど、そのなかにも、その色はやはり、あった。流行だったんですかねえ。