『龍馬伝』の効果と我が家

『弥太郎伝』が流行語大賞になりそうな勢いのことしの大河ドラマですが、幕末好きの主人が、これを観たさに休日出勤を早めに切り上げて帰ってくるという、思わぬ効果があがっています。
(録画装置のない我が家では、一瞬、「もう、導入しちゃうか? NHKオンデマンドの見逃し放題パック」という空気にさえなったのですが、「そんなことをしたら絹子が観っぱなしで外出しなくなる」と主人が気づいてしまい、未遂に)
 第二話では三味線を弾いていた龍馬は、こんやは剣術のけいこ後の水浴びで肉体美をさらしていました。
福山雅治にやらせたいことリスト」があって、それをひとつずつクリアしていくようにシナリオが書かれているのかしら……。
 でも、福山雅治に「初めて見たぜよ。お佐那様の笑顔」って言われたら、惚れちゃうよねー。好きになるなってほうがむりだわよー。
(いま気づいたけれど、まるで女の子向け恋愛ゲームのイヴェントのようなエピソードばかりのドラマですね)
 あと、福山雅治谷原章介をいちどにおなじ画面におさめると、いろいろ危険でした。
「弥太郎の野望」パートも、半平太さんの嫉妬も、三十歳なのに生娘役がはまる広末涼子も、ピエール瀧も見どころだし、お話のテンポが早くてダレないのはよいけれど、千葉家の面々、とくにお佐那さんとの関係はもっと掘り下げて描いてもいいのにねと思いました。あ、そこをはしょるための「初めて見たぜよ」の強烈さなわけなのかしらん。なっとく。
 黒船が来たときの市井の混乱っぷりの描写がすごかったので、あんなにすごかったの? と主人に訊くと、「UFOが襲来したようなものです」とのこと。なるほど、オーソン・ウェルズの『火星人襲来』事件と印象がかぶったわけです。
 観終えたあと、「龍馬はいいよねー。ベンチャー企業の社長も、龍馬が好きなひと多いもんねー」とムハーとしていたので、「早いうちに死んじゃったから、晩年に丸くなったとか節を曲げたとかいうエピソードがないもんねー」とあいづちをうったら、なにかすごいショックを受けたみたいな顔をされました。う……穿ちすぎたかしら。