桃の節句

 外を歩いているとお花の香りがするようになったなあ、と思ったら、三月でした。二月は逃げるなあ。
 きょうのごはんはひな祭り仕様で、海鮮ちらしずしと蛤のおすいものです。
 個人的に、サラダだのサンドイッチだの、具の種類が多岐にわたればわたるほどおいしさを増す料理に興奮するたちなのですが、ちらしずしも、なかなかのものでした。でんぶ(甘い)といくら(しょっぱい)をまぜてもおいしいってふしぎ! ふしぎ!
 しかし、我が家で「ごはん」というと、それはすなわち、三度の食事のうち、唯一夫婦そろって食べられる朝食を指すのですが、朝つくるちらしずしって、けっこうたいへん。まず、炊き立てのごはんがなかなか冷めないし。
 主人からは「今週の朝ごはんはもう、手抜きでいいからね」と労わりのことばをもらいました。朝ごはんをつくるエネルギーを一週間ぶんくらい投入してしまったことを、悟られたらしい。
 もしも来年もつくるなら、酢飯だけは前夜にしこんでおきましょう。
 こんかい、酢飯は大きなジップロックコンテナでつくったので、実家にあったような、木の桶がほしくなりました。でも、あの木の桶って、酢飯以外、どんな局面でつかうかしら。
 氷水をはって、素麺や冷麦の類をいれるかなあと思ったけれど、記憶を洗ってみると過去に野田琺瑯のコランダーも「あんまり必要ない気もするけれど、素麺や冷麦をいれるから!」といいわけをして購入したのでした。
 我が家における素麺や冷麦の存在理由って……。でも、あともう一個くらいなにかいいわけにつかえそうな気がする。