日本代表が買ったら三割引き! という値引き設定

 行きつけのマッサージ屋さんに行ったところ、お会計がいつものお値段の、なんと三割引き!
 いつになく豪勢な値引きだったのでびっくりしたら、店員さんが説明してくれたことには、ワールドカップ期間ちゅう、日本代表が試合に勝ったら三十パーセント、引き分けたら十パーセント、負けたら五パーセントを、つぎの試合の日まで値引きするという企画をしているのだそうです。なので、つぎのオランダ戦までは三十パーセントオフ。
 ワールドカップ開幕まえ、
「まあ、せいぜい引き分けまででしょう!」
 という予想で企画したなあー、というのがよくわかる値引き額の設定だと思います。
「こんなに値引きして、だいじょうぶですか?!」と心配したら、それが、うーん……、という歯切れの悪い返事でした。
 お客に心配させるのは、あまりよくない企画です。
 でも、まあ、私もまさか勝つなんて思っていなかったので、企画者の気持ちはわかる。すごく。
 カメルーン戦は、なかば怖いもの見たさで、主人と自宅で観戦していました。おともはビールと鶏肉の唐揚げ。
 ふと、四年まえのドイツ大会のときはどうしてたっけと記憶を辿ってみたら、「ドイツビールのおいしいスポーツバーで飲みながらいっしょに観ましょう」と誘われて、それが当時まだ恋人でさえなかった主人との、初デートだったのでした。
 と、書くとなにやら甘酸っぱいのですが、そのデートの帰りに実家まで送ってもらった際、「好きなモビルスーツは」という話題で意見が真っ向から対立して、無いな!!(お付き合いに発展することが)と、力強く確信したことも、芋づる式に思い出してしまいました。
シャアザク派とジム派とじゃあねえ!)
 もし四年まえのあの夜の私に、「つぎのワールドカップはこのひととおんなじ名字になってて、いっしょに食べるために大量の唐揚げを揚げてるんだよ」と「楢崎と川口は代表メンバーだけど、正ゴールキーパーは別のひとなんだよ」と、両方囁いたとしたら、どっちを信じるだろうか……。どっちも信じられないと思うけど、それが起きてしまうのだから、四年という歳月は長いなあ、そういうスパンでやるからワールドカップは面白いんだろうなあと思いました。
 あと、本田選手は、風貌といい言動といい、ちかごろの少年漫画の主人公って、あんな感じ!