慶喜公とロベスピエールの共通点
『龍馬伝』はあいかわらず、観ています。さいきん、とりわけお気に入りなのは、
- 収二郎さん捕縛の報を聞き、ショックのあまり過呼吸でぶっ倒れる半平太さん
- 鍬形を己の肩で遊ばせる、まるでくぬぎの木に化したかのよな大殿さま
- 心太と大殿さま
- おそらく、返り血になんども染まって、それを洗いすぎたために色褪せた、新撰組の羽織
等々でした。
きょうの放送分も、以蔵に毒まんじゅうを食べさせてほしいと懇願するとち狂った半平太さんと弥太郎との牢獄でのやりとりが鬼気迫っていてよかったです。
徳川慶喜役の役者さんの気持ち悪さもすてきです。私、初めて触れた慶喜像がかつての大河ドラマのモックンだったのもので、以来「悩んでいるイケメン」路線のイメージを抱いてきたのですが*1、このラスト・ショーグンにたいする一般的なイメージというのは、『篤姫』のときといい、ことしのこれといい、ヒールっぽいものなのかしらと、いまさら思いました。『ベルサイユのばら』で初めて知ったから、ロベスピエールはいいひとだと信じていたような感じ?
気持ち悪い路線といえば後藤象二郎の役まわりもそうなんだけど、史実のあれこれを考えると、今後どうやって軌道修正するんだか、たいへん気になります。
……あれ? 主人公は?
お龍ちゃんに「う・み」と発音して笑顔をつくれというところなど、ああそういえばこいつは天然タラシだったんだ! と思い出したり、しましたよ。ふだんはドスがきいているお龍ちゃんなのに、ひとりになってなんども「う・み」と呟いている姿が、初めてかわいく見えちゃった。お佐那さんのときといい、女の子をぽーっとさせているときがいちばん輝いている主人公。加尾との恋愛描写がいまひとつだったのは、幼馴染設定でこのへんをすっとばしていたからなのねー。