甲子園の夏

 主人の出身校が、数年ぶりに甲子園に出場! そのうえ、試合の日程がちょうど仕事がオフの日に重なったので、同級生数人と日帰りで応援ツアーに行くのを見送りました。
 私は自宅にてゆったり涼しくTV観戦です。
 アルプススタンドからの中継で、揃いのTシャツを着た吹奏楽団が映し出されました。そこに、ひとりだけ違う服装のひとが混ざってる……、そしてどう見ても高校生っていう風貌ではない……、とよくよく注視してみたらどうも知っている顔でした。こんな顔のひと、このお正月にうちに来てたよ?!(id:moony:20100103)
「高校生に交じって大人がサックス吹いてるのがTVに映ってるけどあなたの連れですか?」と主人にメールしたところ、すぐ「そうです」と返信。やはりか! あのときのKくんか!!
 主人たちは高校時代、吹奏学部在籍だったのです。でも、在学当時はいつも地区予選どまりだったので、甲子園で応援するというのは、憧れだったとか。
 試合は主人の母校が大勝。上機嫌で帰宅した主人に、「Kくん、けっこう目立ってTVに映ってたよ」と報告したところ、
「うん。みんな自分の楽器を持ってきて吹いてたの。でもKくんのすごいところは、前から二列目なんて目立つ位置にいるのに、じつは吹いてないってことなんだよね。彼、暗譜してないからね。在学時代から、『Kくんのほうからは音が聴こえない』って有名だったからね」
 なんだってー! すごく真剣そうに吹いていてかっこよかったのに(Kくんはイケメンなのです)、エアサックスのサックス有りというか、口パクのサックス版というか、とにかく、そういう状態だったのだそうです。それなのに、あの一見熱心な風情。役者だな!
 主人は自分の楽器を持参しなかったのですが、現地にて部活の先輩と遭遇し、先輩の楽器を借りて吹いていたのだそうです。が、ずいぶん後ろの列で吹いていたとかで、TVにははっきり映らなかったみたい。
 いっぽう、相手校は、吹奏楽部が廃部になったので、OB・OGが急遽集結して結成された、即席の吹奏楽団だったそうです。にもかかわらず、ものすごい音量だったので、「中京のサックスは化け物か」とのささやきが洩れたとか洩れなかったとか。
 甲子園の夏というのは、野球部部員のものだけじゃなくて、吹奏楽部や、応援団やチアリーディング部や、OB・OGや、いろんなひとの夏でもあるんですねえ。と、元・手芸部部員(しかも硬式野球部のない高校。甲子園は縁遠い)の私は、思いました。