ワンピースの人

 健康状態がひと段落したので、ひさびさにスポーツジムです。
 ところで、ジムで運動して、シャワーで汗を流したあと、ドレッサールームではふつう、どんなかっこうをして髪を乾かしたり、お肌のお手入れをするものですか。
 私が見かけたことがある、ほかのひとのスタイルは、「バスタオルを体にまいただけ」「タオルドレス」「ブラ+ショーツ」「ブラ+ショーツ+スリップ」「お洋服」以上です。これまで、すべて真似してみたんだけど、それぞれ「ドライヤー使用ちゅうにタオルがはずれる」「荷物が増える」「はずかしい」「なんかはずかしい」「服が濡れ髪で湿る」と、いまいち困る結果ばかりでした。
 でもひさびさのジムで、ちかごろ導入した「カップつきキャミ+ボクサーショーツ」で過ごしてみたら、あらすてき!! ヘアドライちゅうも楽ちんだし、はずかしくない!
「ブラ+ショーツ+スリップ」より露出度は挙がるのにはずかしさが減る、というのは意外な事実でした。はずかしさというものは、透け感とか質感に左右されるものなのかしら。
 とにかくカップつきキャミとボクサーショーツ、いい感じです。今後、下着はこれに統一しよう。
 さいきんは、というか結婚して以降、身につけるものは基本的におんなじ形で揃えると管理しやすいし、悩まなくていいなあ、と、なんだかおしゃれ心が低下したことを考えています。以前は、リボンやレースで飾られて砂糖菓子みたいな下着をあれこれ揃えるのがたのしかったけれど、「これ、すごくかわいいデザインのスリップなんだけど、この服の下に着ると、フリルがおもてにひびいちゃう。こっちのスリップはおもてにひびかないけど、裾が長すぎてはみ出しちゃう」とか、朝、わあわあ考えるのに、もう飽きたのです。
 この「管理のしやすさ、悩む余地の無さ」優先の姿勢はいよいよ行きついて、ことしは夏場の節電という声も喧しいし、めんどうなので、いっちょ、涼しくワンピース!! チュニックだとレギンスだとかが必要でよけいに暑いから、ひざ丈で、Xラインのフェミニンなやつ! 毎日制服みたいにワンピースを着て、それでカーディガンで変化をつければいいな! ……と、この春夏用に、ワンピースを7着と、カーディガンを10色くらい購入しました。
 ワンピースは、ハンガーにかけておけばいいので、クローゼットでの管理のあまりの楽さに感動しています。もうもう、この楽さに慣れたら、アンサンブルニットとか管理できないわ。
 そんなわけで、ワンピースにカーディガンをとっかえひっかえして、毎日まいにち、似たようなシルエットの服装で過ごしている日々です。「いつも同じような服を着ている人」とは、すでに、きっとだれかに思われていることでしょう。でも、色彩だけは豊富だから、いいや。それに「いつも同じような服を着ている人」呼ばわりはすこしだけ忸怩たる思いに駆られるけれど、「いつもワンピースを着ている人」なら、まあ、なんとなく、そう呼ばれことに甘んじられるような気がするの。
(この「おんなじ形で違う色のスタイル」をつきつめると、最終的に和装に行きつくなあと思いました)