『平清盛』第一回「ふたりの父」

 この三連休、主人は趣味関連の泊まり込み合宿で不在なので、自宅でひとり、お留守番です。独身気分です。
 夜、大河ドラマの『平清盛』を観ました。
 事前に、鳥羽帝を三上博史が演じると聞き及んで、とても! とても! 楽しみにしていたのです。
 自分を裏切っているお妃のために、そうとはしらず、みずから花を手折って文に添える鳥羽帝は、期待していた以上に、繊細で、うつくしくて、そして不幸そうで、すてきでした。
 来週も観よう……! と、うっとりしました。
 そして、うっとりしていても、ひとりで観ていると、主人による妨害がなく、快適でした。ふだん、私が俳優さんにうっとりしていると、嫉妬に狂った主人があれこれと、せっかくのうっとりに水を差すようなことをいってくるので、ひどく気分が悪いのです。
(逆に、主人がきれいな女優さんやモデルさんにでれでれしているときは、私は「きれいだなあって思う女の人がこの世に多くて、よかったねえ」とにこにこしているのに、恩をあだで返されているようで、納得いきません)
 ドラマそのもののほうは、主人公の生みの母と育ての親がそれぞれ「生きるとは!」とか「軸を!」とか直截なことを発言しだしたので、だいぶ興ざめしましたが、朝廷パートが、はっきりとことばには出さずに、えげつないことがあからさまになるので、陰険でよかったです。武家と公家(というか、院と帝だけど)の対比のために、そんなふうに描かれているのかなあ。
 そのほか、天下三不如意を思わせる賽や、羅生門のような荒れ果てた門や、富士川の戦いを連想させる鳥の羽音など、イメージの宝庫で、観ていてわくわくしました。サブタイトルの「ふたりの父」も、白河院平忠盛のことだけじゃなくて、さらに白河院と鳥羽帝のことも意味しているのね。崇徳帝はARATAが演じるそうなので、こちらも期待です。