最大出力と飛行高度

 一月の末からこちら、ものすごく調子が悪かった。体がガチガチに固まっているうえに、気分が沈みこんだきり、浮上しない感じ。どれくらい沈んでいたかというと、残業つづきでこれまた疲れがたまっていた主人のつきあいで近所の温泉へ行ったのに、いつもなら頼むマッサージもエステも、なんとなくおっくうで、受けなかったくらい。そんな、寝転んでさえいたらいい受動的な癒しでさえ面倒くさいって、よっぽどだと思います。
「絹子は冬になるといつも調子が悪くなるもんね」
 と、主人には指摘されたけれど、それにしたって。これほどは。
 でも、厄年は節分までっていうからなあ。
 いままさに本厄が終わろうとしているので、いちばんしんどい時季なのかも。
 夜明け前がいちばん暗いのかも。
 ……よし、その説、採用。いまがいちばんしんどいとき。だからあとは上昇するだけ。
 と、考えたらすこしだけ元気が出て、節分の日に、整体を受けることができました。そうしたら体が多少らくになって、立春に、美容室に髪を切りに行くことができて、気分もちょっと浮上しました。
 体も心もどっかーんと最大出力になるような妙薬って、この年齢になると、ないわねー。体か心か、片足ずつ前進するしかないみたい。
 というか、そもそも、そんなに沈み込むまで体調もメンタルヘルスも放置していたのが、問題です。適切に心身のメンテナンスをおこなって飛行高度を保っていく、おとならしさを身につけたいものです。