慰めのことばとして

 きのうの、主人が、猫さんにお声がけいただいた話の、つづき。
 その猫さんに、きょうは私が出くわしました。
 ゆうべ、さんざん画像を見せられたのだから、別猫と見間違えるわけがない。
 あら、例の、と気づいて近寄ったところ、ぜんぜん逃げる気配なし。それどころか、こちらを見て「にゃーにゃー」と、あちらからあいさつ。ええっ、三年越しだなんてうそで、ひとなつこい猫なんじゃないの〜、と思ったものの、どうも、鳴き方がへん。にゃーにゃーにゃーにゃーにゃーにゃー。この鳴き方はさあ……。
「あの猫、ほぼ初対面の私にも話しかけてきたよ。というか、さかりがついているだけだったよ」
 と、主人に報告したところ、
「えっ、うそっ」
 と驚いたのち、
「……さかりがつくってどういうこと?」
 もうすぐ三十歳になろうという配偶者が「さかりがつく」を知らないなんて、私のほうが「えっ、うそっ」といいたい。
 が、とりあえず発情期について説明。
 facebookで「三年越しの誠意」を吹聴した挙句、「大切なのは、気持ちです」などとご高説を垂れてしまった主人は、自分の大勘違いと理解して、それはそれはしょんぼりしておりました。すべての恋は脳内物質によるまやかしよ、とフォローしたのですが、妻が夫にかける慰めのことばとして適切だったかどうかは不明です。